ロールアライメントのケーススタディ ~メンテナンスサービス編~

イージーレーザー社の公式サイトに掲載されている、主にロールの測定・調整サービスを提供している企業の活用方法についてのブログ記事をお届けします。

ロールの平行度・水平度の測定と調整にイージーレーザー®を活用

Richard Henry氏は、米国オハイオ州にあるProcess Metrology社のオーナーです。アライメントと振動のスペシャリストであり、製造業において機械アライメントの問題に20年以上にわたり向き合ってきました。彼はイージーレーザー® E970ロールアライメントシステムのユーザーでもあります。彼が長年にわたって得た知識と経験について知るべくインタビューを行いました。

--業務の概要について教えてください。
アラインメントや振動のコンサルタントとして、私の仕事の内容は毎日、時には1時間ごとに変わります。顧客は多岐にわたり、発電、鉄鋼、紙、プラスチック、印刷などが含まれます。回転装置を持っている企業であればどこでも顧客となりうるのです。

イージーレーザー®が使用されているロール設備としては製鉄所、アルミニウム工場、製紙工場、プラスチック製造および印刷会社などが挙げられます。生産ラインを一から設置する際に依頼が入ることもありますが、私の仕事のほとんどは既存のロールの平行度測定と、その測定結果のレポート化です。

--イージーレーザー®をどのような場面で利用しているのですか。
イージーレーザー® E970ロールアライメントシステムの設置はさほど難しくありません。基準ロールを決めてしまえば、複数のロールの平行度を測定できます。レーザー発信器D22とプリズムを組み合わせることで、高精度で再現性のある測定が可能になります。ロールの位置がずれていることがわかった場合、イージーレーザー® E970であればロールの垂直方向と水平方向のズレ量をリアルタイムで表示してくれます。ロールを正しい位置にすばやく再配置することができ、時間と労力の無駄がなくなります。

--ロールの平行度測定が重要な理由とは何でしょうか?
他のロールと比べてズレが発生しているロールがあり、そのズレが大きすぎる場合は、製品の品質、製品の張り、巻き上げや印刷の問題、製品のしわといった大きな影響を与える可能性があります。

これらの問題により発生するコストは製造会社に降りかかります。ステアリングを制御するためにプロセスを調整すれば、製造される製品量が減ってしまいます。しわを減らす目的で高価なロールを導入したり、ガイドをアシストするためにステアリングロールを取り付けたりすると、ロールと製品間がより複雑になってしまいます。当然、お金と時間もかかります。場合によっては、製品が破れたり、巻き上げが不十分だったり、完成品を廃棄する必要が出てしまい、生産が停止されます。

事実上あらゆる欠陥の潜在的な原因は、プロセスロールのアライメントです(常にそこに原因であるということではなく、あくまで「潜在的」にですが)。プロセスのアライメントが完了した後も問題が解決しない場合、ロールのミスアライメントではないということがはっきりとしていれば、別の原因を探るなど、より効果的なトラブルシューティングが可能になります。

--イージーレーザー® E970の利点は何だと思いますか?
イージーレーザー® E970の利点は持ち運びがしやすく、使いやすいところだと思います。レーザー発信器のD22はコンパクトかつバッテリー駆動、プリズムD46も同様にコンパクトです。受光パネルは20mm四方で、大量のロールのずれを測定するのに十分なサイズです。レーザー発信器は非常に安定していて、正確です。無線通信を備えたデジタル水準器を利用すればロールの水平度を測るために、従来の気泡管を使用する必要がありません。レポートは自動で作成され、基準の変更はボタンを押すだけで完了します。受光器や水準器とディスプレイユニット間の通信はすべてワイヤレスです。

--平行度測定以外にイージーレーザー® E970を使用していますか?
私はイージーレーザー® E970をロールの平行度測定のほか、基礎の平面度測定に使用しています。イージーレーザー社からはさまざまなオプションが販売されているので、何点か追加購入をしました。それらを組み合わせ、シャフトアライメント(軸芯出し)、押出機バレルのアライメント調整、タービンアライメント、垂直水力タービンなどにも使用しています。

やったことのない測定にも果敢に取り組みます

イージーレーザー®の製品ラインアップを使用し続けてきましたが、なかでも最も難しい仕事は新しい測定に取り組むことです。このシステムは非常に用途が広いので、お客様からこれまで測定したことがない個所や、光学的または機械的な方法では測定が非常に困難なものを測定するように要求されます。機器の機能への理解と、ある程度の創造性を持つことで、これらの測定値を迅速かつ効率的に取得するために有用なものを、低コストでカスタマイズ製作することができます。

例を挙げましょう。顧客の一社であるペンシルベニア州西部の製鉄所で、バックミルテーブルに壊滅的な破損が発生していました。このテーブルのロールは、一連のベベルギア(かさ歯車)とドライブシャフトを介して駆動していました。これらのギアが故障し、多大な生産ロスをもたらしました。

標準の治具を変更し、90°の角度で噛み合うギアのアライメントを測定しました。ドライブシャフトのアライメントと、ロールの高さを修正するためにシムの変更を推奨することができました。これらの変更により、壊滅的なギア故障が事実上解消されました。電磁鋼のコイルの価値が8,000,000円相当で、10分ごとに1つのコイルを実行する場合、2時間のダウンタイムでも非常に高くつきます。

従来の測定方法よりもレーザー技術を好む理由

事実上すべてのアナログ測定方法は、「客観的」測定ではなく「主観的」測定です。下げ振り、トランジット、ダイヤルゲージなど、精度と再現性の決定をユーザーに完全に依存しています。トランジットで測定する際(特にかなりの距離がある場合)、人によって見え方が少し異なるでしょう。ダイヤルゲージは治具によるダレの影響を受けますし、正面以外の位置からダイヤルを見ると視差が発生します。

レーザー発信器から放射されるレーザーは、直進性という優れた特徴を持っています。レーザーが受光パネルに当たると、その位置がディスプレイユニットに表示されます。例えば、数値が0.25 mmの場合、0.25 mmと表示されます。その0.25 mmという値は別の人が確認しても0.25 mmです。これこそ「客観的」な測定です。

私がレーザー技術を好むもう1つの理由は、素早くセットアップできることと、機器がコンパクトだからです。光学工具は、かさばったり、重かったりします。それと比較すると、レーザー機器はより軽く、より小さく、はるかに持ち運びに便利です。セットアップと測定に時間をかけることはもったいないです。製品を製造していない時間が長くなれば、それだけお金を失っています。調整日の半分を機器のセットアップに費やしたとしても調整は完了せず、設備によっては損失が15分ごと5,000,000円相当にもなる可能性があります。測定を素早く行い、正確にアライメント調整することが、顧客満足につながります。さらに、アラインメント結果のレポート化は非常に重要です。ロールの測定前後の結果はディスプレイユニットに保存されます。1日の終わりに、顧客は測定・調整結果のレポートを受け取ることができます。

イージーレーザー®の活用例

--最近または過去の仕事において良い結果が出た事例について教えてください。
たくさんの例があります。2014年12月、イリノイ州南部のテープメーカーから、生産ラインに設置された新しいロールの測定とアライメント調整の依頼が入りました。機械のオフセット中心線を確認し、1日8時間で25本のロールを測定し、調整を完了することができました。翌朝プロセスが始まった際、最小限のエッジガイドで平らに、かつ、まっすぐに製品が流れていきました。顧客は、約2mの長いロールを0.15mm以内の精度で調整したいと要望していましたが、結果的にはその半分未満の精度で調整完了することができました。

インディアナ州南部の製鉄所では、新しいロール設備が導入されるたびに契約を結び、ロールの平行度と水平度を測定します。また、レーザーシステムを使用して、エッジトリムナイフを測定および修正し、適切な角度であるかを確認します。

最近ですと、酸洗いタンクに入らずに、全長約240mに及ぶロール20個を1回あたり8時間のシフトで測定し、調整しました。

オハイオ州中央部にある製紙工場では、大型製紙機械のロール平行度と水平度の調整を行っています。顧客は長年、光学調整会社に作業を依頼していたようですが、イージーレーザー®を使用し、より少ない人数でより正確で再現性のあるデータをより速く取得することができる我々にロールの調整を一任するようになりました。調整作業は当初3日間を予定していましたが、半分の日程で完了しました。これにより、停止時間を短縮し、生産量を増やすことができました。

平行度測定用のソフトウェアを使用して、ガスタービンエンジンの回転中心が取り付けフランジに垂直であることを確認することもできます。これは、ガスタービンメーカーでも測定ができなかった個所でした。

--さいごに、仕事のどの部分が一番好きですか?
私は測定機器を使って、アライメントや振動の問題の根本原因を見つけ、その問題の解決策をお客様へ提供することを本当に楽しんでいます。イージーレーザー®は私が選択したツールです。対応できなかった測定は今のところありません。まったく同じ仕事はなく、何か新しいことがあります。私の仕事の要件は頻繁に変わるので、毎日新しい仕事を始めるようなものです!

翻訳・編集/石田有紀

ロールアライメントに興味がある方におすすめ

  【ブログ記事】ロール設備の平行度・水平度調整、レーザー式で測定できる設備と測定方法
  【ブログ記事】ロールの平行度・水平度の測定結果をグラフィック表示。結果の数値化とレポート作成もイージーに!
  【ブログ記事】ロールアライメントのケーススタディ
  【製品ページ】ロール設備の平行度・水平度測定
  【よくある質問】高さ方向が異なるロールを測定することは可能ですか?

※本サイトは鉄原実業株式会社が運営しております。


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