軸芯出しの重要性:ポンプのシャフトアライメント

機械装置や施設全体のスムーズな稼働のためには、十分に潤滑され、適切に調整された機械が不可欠です。回転機器に芯ずれ(ミスアライメント)があると、それによって生じる不必要な応力が予期せぬ、コストのかかるダウンタイムの原因となってしまいます。だからこそ、回転機械の軸芯出しは特に重要です。

ポンプの垂直方向および水平方向の調整が不十分だと、機器のシールやカップリングが損傷し、潤滑剤の漏れや消費の問題が発生することがわかっています。シールを交換するのがより手頃な修理だと思うかもしれませんが、根本原因にアプローチし対処しなければ、シールの故障や潤滑剤の損失は避けられません。

垂直方向および水平方向の芯ずれによって引き起こされる問題には次のようなことが挙げられます。

・振動と騒音の増加
・カップリング、シャフト、基礎ボルトの早期破損
・高価なシール潤滑剤の過剰な漏れ
・過度の摩耗によるベアリングとシールの早期破損

摩擦の増加により、過度の摩耗、エネルギー消費が発生し、機器の早期故障が発生する可能性があります。

これらの問題を防止し、機械を最高の効率で動作させるためにも、軸芯出しを高精度に行うことが推奨されます。芯ずれには、①両軸心に平行誤差が生じている平行偏心、②角度誤差がある状態の偏角、または③その両方が起こっている場合があります。その他にも、軸方向にずれが発生している軸方向変位があります。

正常時
平行偏心
正常時 ①平行偏芯
偏角
平行偏心と偏角
②偏角(面開き) ③平行偏芯と偏角が組み合わさった状態

このような状態を避けるために、一般的には計測ツールを使用して「芯が出ているかを数値化して評価」します。

レーザー式によるメリットは、難しい操作はなく正確な精度の芯出しが可能な点です。レーザーを送受信する2つのユニットをそれぞれ固定機械側と調整機械側に取り付け、3か所で測定を行えば、現在のズレ値と調整値がディスプレイユニットに表示される仕組みになっています。調整を行っている間もリアルタイムで数値が更新されるため、何度も計測を行う必要もありません。

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文/いしだ

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