正確なベルトアライメントがもたらすコスト削減は●%!予防保全への取り組み方

シーブ/プーリーの調整をするかは問題ではないというのはよくある誤解です。ベルトはしなやかな部品で、摩耗した場合でも簡単に交換できます。しかし、軸受やベルト、プーリーなどの新しいスペアパーツを購入するコストよりもエネルギーコストのほうが高いということを考慮した上での判断でしょうか?研究によると、正確にアライメントを行うことで効率を改善し、エネルギーコストを5〜20%節約できることが示されています。特に数十から数百ものベルト駆動の機械を所有する企業の場合、かなりの金額になる可能性があります。

ベルトアライメント不良がもたらす悪影響

シーブ/プーリーの異常摩耗の最も一般的な原因は、アライメント不良または不適切な取り付けです。

見落とされがちな要因の一つとして、ベルトの位置が正しくなかったり、もしくは張力がかかっていたりすると、プーリーに対してベルトが摩擦し、異常な高温になる可能性があることが挙げられます。温度が高すぎるとベルトが硬化し、ひび割れが発生します。歯付きベルトは歯が欠ける可能性があり、最悪の場合、機械に深刻な影響を与える可能性があります。近くに強い熱源がある場合もベルトに悪影響を及ぼします。IR(サーマル)カメラは、異常温度になっているかを確認するのに便利です。

一方、生産性の向上、計画外停止の減少、およびエネルギー消費量の削減は、機械が定期的にメンテナンスされている結果といえます。長期的な目線では、環境にもプラスです。シーブ/プーリー駆動の機械を調整することにより、機械を摩耗させ、動作環境に悪影響を与える振動も低減します。

メンテナンスのポイント

多くのベルトメーカーは、計画外停止を避けるための手段として、予防保全を提唱しています。計画的な停止は、効率的で費用を抑えることができます。シーブ/プーリーのメンテナンスプログラムを用意することも効率的です。予防保全をどの程度の頻度で行うか決める要因はいくつかあります。まず、機器を分類することから始めましょう。メンテナンス作業に優先順位を付けるために、これらのことを確認します。

• 対象の機械が重要機器か否か
• 回転機械の速度(例:rpm)
• 環境への影響。さび、湿度、油、温度などの外的要因があるかもしれません。
• ベルトの品質。タイプやメーカーが異なるベルトを組み合わせて使用することは推奨しません。

そのほか、以下の点も確認しましょう。

• 何よりもまず、機械の周囲に汚れや破片がない状態にし、ベースが良好な状態か確認することが重要です。
• 通常、機械には安全装置とガードが必要です。メンテナンス中に簡単に取り外せるガードを用意して、シーブ/プーリーに簡単にアクセスできるようにしましょう。
• メンテナンス担当者は、適切なトレーニングを受けていること、作業を行うために必要な機器を所有していることが重要です。
• 機械を正しくセットアップする方法については、機械の製造元の仕様を確認してください。次回メンテナンスを行うときに簡単に確認できるように、書き留めておくと時間を節約できます。
• ベルトの張力に関して、メーカーの要件を確認してください。この情報もメンテナンス中に簡単に確認できるように書き留めておくと便利です。ベルト張力を測定するための機器も利用できます。
• トランスミッションに複数のベルトが並んでいる機械の1つだけに不良が発生している場合でも、すべてのベルトを同時に交換する必要があります。
• 調整の前後のエネルギー消費量を測定することで、正しく調整できたことを簡単に確認できます。
• 機械を注意深く観察しましょう。何か異常が疑われる場合は、調査します。異常な摩耗や損傷に注意する必要があります。
• 検査は頻繁に、月に1回程度は行う必要があります。
• 予防保全は6〜12か月間隔で実施しましょう。
• ベルトを交換するときは、ベルトメーカーの指示に従います。ベルトは傷みやすい製品のため、予備品は正しく保管してください。

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翻訳・編集/いしだ

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