船舶メンテナンスにおけるレーザーアライメントシステムの活用

ポンプ~モーター間など、汎用回転機械の軸芯出し用途向けのメリットが数多く紹介されているレーザー式のアライメントシステムですが、実は”船”のメンテナンスにも適用できることをご存知でしょうか。

本日は新造船時、修理時、定期補修時といった船におけるレーザーアライメント活用例をご紹介します。

造船所/船舶メンテナンスにおけるソリューション

• エンジンとギアボックスの調整(軸芯出し)
• プロペラシャフトとギアボックスの調整
• スタンチューブに関するベアリングジャーナルの調整
• スタンチューブ測定
• 旋回輪ベアリングの平面度測定

イージーレーザー 船舶 メンテナンス ボアアライメント フランジ 平面度

これらの用途いずれも、イージーレーザー®で測定・調整することが可能です。具体的にどのような測定結果を確認することができるか見ていきましょう。

エンジンとギアボックスの軸芯出し測定・調整

イージーレーザー®は、レーザー発信器/受光器である測定ユニットを簡単に取り付けられるよう開発された専用ブラケット(治具)が付属されています。それらを用い、まずは測定ユニットを下図のように取り付けます。

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測定ユニットのセットが完了したら、ディスプレイユニットを用いて測定を行います。基本的な操作方法を画面で確認しながら進めることができるので、取扱説明書がなくても操作可能!システムが自動計算し、現在の垂直/水平方向へのズレ値、シム追加/除去に関してもリアルタイムで表示します。

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従来の測定方法、例えばダイヤルゲージの場合、物理的な干渉があり測定しづらいことがありますが、イージーレーザー®を使用すると測定点間にわずか40°の広がりがあれば、測定可能です。さらに正確な結果を出したい場合には、測定ユニット可動範囲を広げることで対応できます。直進性を活かしたレーザー式での測定ですので、自重やダレの影響を受ける心配もありません。

ボアのアライメント調整

船舶メンテナンスにおける調整で多いのが、ボアのアライメント調整ですよね。イージーレーザー®は下記3つのプログラムから選択が可能です。

①ハーフサークル:ハーフボアの3か所で数値が登録されます。例えばタービンに使用されます。
②4点:フルボアの4か所で数値が登録されます。
③マルチポイント:任意の3か所もしくはそれ以上の位置で数値が登録されます。ハーフボア、フルボアの両方に使用されます。

イージーレーザー 船舶 メンテナンス ボアアライメント フランジ 平面度

ハーフボアの測定画面は上図になります。測定結果はグラフ、一覧表、3D画面で確認が可能です。初期設定では一覧表画面が表示されます。下図はPDFレポートからの例です。

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平面度測定

レーザー発信器D22を使用し、ディーゼルエンジンブロック上の真直度と平面度や、旋回ベアリングクレーンフランジの平面度の測定をすることができます。

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おわりに

海外ではレーザーアライメントでの船舶メンテナンスはかなりメジャーとなっており、イージーレーザー社の用途別紹介でも、「Marine applications」が先頭に記載されています。イージーレーザー®は、小型の漁船から地域交通網となる遊覧船、車両運搬用タンカーやLNG船まで、幅広いメンテナンスに対応してきた実績がありますので、「こういう船は対応できるのか?」といったご質問ございましたら、お気軽にこちらからお問い合わせくださいね。

文/いしだ

※本サイトは鉄原実業株式会社が運営しております。


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