回転機械に影響を与える最も重大な問題の1つは、ケーシングの歪みです。この記事では、ケーシングの歪みが何を意味するのか、それがマシンのパフォーマンスにどのような影響を与えるのか、そして信頼性の高い動作を実現するためにその歪みに対処することがなぜ重要なのかについて説明します。
ケーシングの歪みは、回転機械にとって最大の問題の1つであるだけでなく、非常に一般的な問題でもあります。しかし、それは実際には何を意味するのでしょうか?
「ガタ」「猫脚」「ソフトフット」はどのような現象?
レストランのロッキングテーブルをイメージしてみてください。床が平らでなかったり、テーブルの構造上の問題で、片方の脚の下にスペースができた場合、テーブル全体がぐらぐらと揺れてしまいます。このような問題を解決するにはどうするでしょうか?短い脚の下に何かを挟むことで、テーブルは動かなくなるということがイメージできるのではないでしょうか。
回転機械を平らでない基礎の上に設置する場合も同様のことが起こります。ほとんどの回転機器は平らな面に設置することを前提に設計され、すべての機械の脚が完全に平坦な平面になるようにフライス加工されています。そのため、平らではない基礎や平らでない底板の上に機器を設置すると、先ほど述べたような揺れの状況が発生してしまいます。それが「ガタ」「猫脚」あるいは「ソフトフット」と呼ばれるものです。
回転機器は、ローター、シャフト、ベアリング、メカニカルシール、圧縮室内のインペラなど、多くの部品で構成されています。そして、これらはすべて非常に小さな内部クリアランスを持っています。機械が平らでない表面にボルトで固定されている場合、機械の脚にかかる力によってケーシングの形状が変化します。その結果、これらのクリアランスは変化します。猫脚の状態を修正するには、0.05 mm を超える部分をすべて補う必要があります。
パイプ接続の問題
ケーシングの歪みのもう 1 つの原因として、パイプの歪みが考えられます。パイプの歪みは、接続フランジの位置が揃っていない場合に発生する可能性があります。
また、パイプサポートが高すぎるか低すぎるため、接続間に大きな隙間が生じている可能性もあります。この問題に対する一般的な解決策は、それらを強制的に結合することです。これにより、いわゆるノズル負荷が発生します。これも機械のケーシングに大きなストレスを与えます。(OEM は、装置に許容されるノズル負荷を指定します。)
長期的な影響
では、ケーシングに歪みが生じるとどのような問題が発生するのでしょうか?
シャフトには回転運動を伝えるベアリングが取り付けられており、これらのベアリングは設計された荷重の下で動作します。ケーシングに歪みが生じるとシャフトに負担がかかり、シャフトの位置が変化します。これにより、設計荷重が変化してベアリングに影響が生じ、ベアリング内の転動体が指定された軌道面から移動します。
これは潤滑に重大な影響を与えるものです。潤滑用のスペースがないため、ベアリングの転動体が潤滑を押しのけようとします。摩擦による熱が蓄積すると、内部部品の熱膨張がさらに大きくなり、故障が発生するまでギャップが徐々に減少します。
おわりに
わずかな隙間があれば機械のバランスが崩れ、予期せぬ故障が発生する可能性があります。回転機器に関しては、適切に設置されていることを確認することが不可欠です。
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文/いしだ