製材設備を調整するためにレーザー式を採用すると、多くのメリットが得られます。製材品の品質向上に役立つだけでなく、各ログを最大限に活用できるようになります。
また、従来の方法と比較した場合、レーザー式はより人間工学に基づいた方法です。レーザー式であれば、ワイヤーのように物理的な干渉がないため、機器を調整しながらより自由に動くことができます。
よりシンプルで、ユニバーサルな測定システム
レーザーアライメントシステムは、機械に素早く、簡単にセットアップできます。レーザー発信器を、ラインの中央に配置すれば、既存のストレートエッジ同様の役割を果たします。例えば、固定台の両端に、レーザー受信器を設置して測定することで、希望や要件に応じた、正確なセンタリングを行うことができます。
製材ラインに張るワイヤーやケーブルを使用する従来の方法では、実際のところ、高まり続ける昨今の要求精度と生産性の要件を満たすことが難しくなっています。また、精度以外のメリットとして、レーザー式はワイヤーのように物理的な干渉がなく、アライメント作業の邪魔にならない点が挙げられます。迅速にセットアップができ、測定手順も簡単なので、生産停止時間が短い場合でも使用することが可能です。例えば、丸太がガイドに衝突した際に、ズレが出てないか、素早く確認することも可能です。
イージーレーザー® E980システム
イージーレーザー® E980は、製材機向けに開発されたシステムで、丸鋸や帯鋸、リデューサーやガイド面のような、他の構成部品にも適用することができます。このシステムは、両ユニット同士がレーザーをお互い送受信するデュアル式を採用したレーザー発信器と受光器、専用治具がセットになっており、測定結果は簡単にPDFレポートとして出力可能です。
1. レーザー発信器を中心にセットする
2. レーザー受光器を端に取り付け、測定する
3. 反対側の端にレーザー受光器を取り付け、再度測定
丸鋸のアライメント調整方法
鋸刃(または複数の刃)は、製材ラインに対して平行になるよう調整する必要があります。マシン全体の中心にレーザー光を照射し、アライメント調整を行いたいパーツに受光器を取り付け、測定するのが最も一般的な方法です。鋸刃、リデューサー、ガイド平面などを、この基準線と合わせることで、各パーツが基準線に対して、直角であるかを確認します。切断された材料で品質不良が見つかった場合、短時間の停止中であっても、このように機械をチェックすることができます。
帯鋸のアライメント調整方法
帯鋸のホイールは互いに平行かつ、製材ラインに対して垂直でなければなりません。帯鋸のホイールの角度を確認するには、通常、鋸線に対して正確に90°の回転が可能なタイプのレーザー発信器を帯鋸のホイールに取り付け、使用します。ガイド平面はログ方向に対して希望の角度に調整されます。
おわりに
製材所でのレーザーアライメントシステムの活用については、YouTubeでも解説しています。
文/石田有紀
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