ダイヤルゲージ芯出しvsレーザー式の測定、流れや作業はどう違う?動画でポイント解説

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軸芯出し(シャフトアライメント)とは

例として、モーターとポンプを挙げてみましょう。ここでは、右側にあるモーターが左側にあるポンプを動かしています。ポンプの軸とモーターの軸をつないでいる部分がカップリングです。このカップリングで結ばれた2本の回転軸の中心線がまっすぐであれば、負荷がかからず、カップリングの寿命は長くなります。

coupling_normal

では、2本の回転軸の中心線に「ずれ」が生じていた場合はどうなるのでしょうか。下図では、モーターの被駆動側(後脚)が駆動側(前脚)に比べて下がってしまい、軸が水平ではありません。このように中心線がずれてしまうと、カップリングのみならず、軸受(ベアリング)に負荷がかかることもあります。

coupling_missalignment

このような回転軸のずれのことを「ミスアライメント(芯ずれ)」、芯ずれがないように調整することを「芯出し」といいます。

選定したカップリングの型式や運転条件により、ミスアライメントの許容範囲が設定されているので、その範囲内に収まるよう芯出しを行う必要があります。仮にミスアライメント状態で運転を続けると、カップリングや軸受に負荷がかかり、破損してしまうリスクがあるためです。

ミスアライメントには、①両軸心に平行誤差が生じている平行偏心、②角度誤差がある状態の偏角、または③その両方が起こっている場合があります。その他にも、軸方向にずれが発生している軸方向変位があります。

正常時
平行偏心
正常時 ①平行偏芯
偏角
平行偏心と偏角
②偏角(面開き) ③平行偏芯と偏角が組み合わさった状態

このような状態を避けるために、一般的には計測ツールを使用して「芯が出ているかを数値化して評価」します。

軸芯出し結果の数値化

① ダイヤルゲージによる軸芯出し

平行偏心や偏角による誤差はハブにダイヤルゲージを取り付けて、1回転させることで振れを測定します。その後、可動機械側(上図の場合はモーター)の前脚・後脚のボルトを締めるなどの調整を行い、許容値になるまで同様の作業を繰り返します。

dial gauge#2
dial gauge#1
ダイヤルゲージによる調整(平行偏心) ダイヤルゲージによる調整(偏角)

ダイヤルゲージを使用した軸芯出しは汎用手法ではありますが、経験豊富な熟練作業者の退職問題や、次の世代への技術の継承ができていないなど、課題を抱える企業も多くあるようです。

② レーザー式システムによる軸芯出し

 

レーザー式によるメリットは、難しい操作はなく正確な精度の芯出しが可能な点です。レーザーを送受信する2つのユニットをそれぞれ固定機械側と調整機械側に取り付け、3か所で測定を行えば、現在のズレ値と調整値がディスプレイユニットに表示される仕組みになっています。

調整を行っている間もリアルタイムで数値が更新されるため、何度も計測を行う必要もありません。

イージーレーザー

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おわりに

YouTube(約10分)のデモ動画では一連の測定の流れをご紹介しています。自社の設備で使用できるか確認したいという方はお問い合わせフォームからご連絡ください。

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文/いしだ

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