レーザーを使用した迅速かつ簡単な測定の鍵となるのは、レーザー光線を放射するレーザー発信器に他なりません。測定の基準となるレーザー光線は、完全にまっすぐで無重力の定規だと表現する人もおり、レーザー光線こそが高精度な測定の出発点です。
本記事では、イージーレーザー社が開発したレーザー発信器の特徴について解説します。
回転レーザーヘッドを備えたEasy-Laser® XT20 / XT22 / D22
どの方向に対しても測定対象物に平行なレーザー光線を発せられる、レーザーヘッドが回転するタイプです。真直度、平面度、直角度など、ほとんどのタイプのジオメトリー(3次元)測定に使用できます。また、D22およびXT22 は、レーザー光線を90°偏角させて発することができるため、直角度測定に最適です。
2022年にリリースされたXT20 / XT22発信器には、デジタル水準器が内蔵されています。発信器設置もスムーズかつ正確に行うことができ、エラーリスクの低減につながります。XT20 / XT22発信器はXTシリーズの受光器と組み合わせて使用します。充電式になっており、1回の充電で最大30時間駆動します。
XT20 | XT22 | D22 | |
---|---|---|---|
測定半径 | 20 m | 40 m | 40 m |
レーザーの種類 | ダイオード | ファイバー結合ダイオード | ダイオード |
レーザーヘッド微調整 | 1:132 ギア比 | 1:1320 ギア比 | 1:7 ギア比 |
防水・防塵 | IP55 | - | - |
稼働時間 | 30時間 | 30時間 | 24時間 |
電池仕様 | 充電式リチウムイオン電池 | 充電式リチウムイオン電池 | 充電式リチウムイオン電池 |
レーザー域 | 360°スイープ | 360°スイープまたは90°偏角 | 360°スイープまたは90°偏角 |
常に回転するレーザービームを備えたEasy-Laser® D23
Easy-Laser® D23 発信器には、モーター駆動の回転ヘッドが付属しており、360° のレーザー面を実現。発信器からのレーザー光線は常に回転し、半径 20 mまで基準面を作成します。新しい測定位置ごとにレーザー光線を調整する必要がないため、測定をより迅速に行うことができます。主に平面度測定用で使用されます。
Easy-Laser® D75 はボアなどの真直度の測定に便利
Easy-Laser® D75は測定可能距離が最大 40 mのレーザー発信器です。主にボア、船尾管、押出機バレルなどの真直度を測定するために使用されます。ブラケット(取り付け用治具)を変えることで、さまざまな目的に使用できます。
タービン用途にはEasy-Laser® D25 を使用
Easy-Laser® D25 は、主にタービンでの真直度測定に使用しますが、ギアボックスなどにも適用できます。レーザービームは 360° スイープでき、スイープに対して 90° 偏角させることができます。
長距離測定にはEasy-Laser® E30
通常、長距離を正確にレーザーで測定することは難しいとされていますが、Easy-Laser® E30 を使用すると、最大 200 mまで真直度測定を行うことができます。
シーブとプーリーの位置合わせ用 Easy-Laser® D92 BTA
D92 BTA発信器は、ベルトまたはチェーンなどの位置合わせに使用されます。レーザー発信器をシーブの一方に、受光器はもう一方のシーブに取り付け測定を行います。受光器がレーザー面に対する位置を読み取り、オフセットと角度値の両方をリアルタイムでデジタル表示します。
おわりに
レーザー式で測定をする場合には、レーザー発信器以外に、次のものが必要となります。
・レーザー受光器
・発信器や受信器を取り付けるための治具(ブラケット)
・測定結果を表示するディスプレイユニット
XTシリーズでは、ディスプレイユニットの代わりにお手持ちのスマートフォンやタブレットを利用できます。
文/いしだ
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