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クロスヘッド振動解析によるピストンロッド接続部の緩み特定

clearance-between-crosshead-and-pistonrod

クロスヘッド振動の解析により、クロスヘッドとピストンロッド接続部の緩みが特定されたケーススタディを解説します。
 

h2midashi クロスヘッド振動のオンライン信号解析とは?

往復動圧縮機はクランクシャフト1回転の間に、コネクティングロッドを介して接続されたピストンロッドとピストンヘッドが上死点→下死点→上死点と移動します。クランクシャフト360°の回転中のオンライン信号には、特定のクランク角度のときに発生するパルス状の突発型振動が見られます。

不良の兆候としては、特定のクランク角度の振動がしきい値を超える、特定のクランク角度以外のタイミングでパルス状の振動が発生している、同レベルの振動が継続する連続型振動発生の場合などが挙げられます。
 

h2midashi ケーススタディ

まずは良好状態時のクロスヘッド振動のオンライン信号を確認してみましょう。中央のピンク色の信号は振動のオンライン信号、下のほうの青色はピストンロッド変位信号を示しています。

プログノストによるオンライン状態監視 コンディションモニタリング

続いて、この機器を稼働させた1分後のオンライン信号です。クランク角度30-45°の間と、300-315°の間にパルス状の突発型振動が発生しています。その直後のオンライン信号にも同様の振動が発生していることがわかります。

プログノストによるオンライン状態監視 コンディションモニタリング

プログノストによるオンライン状態監視 コンディションモニタリング

機器稼働から10分後のオンライン信号は下図の通りです。

プログノストによるオンライン状態監視 コンディションモニタリング

パルス状の振動が発生しているクランク角度に変化はありませんが、先ほどのオンライン信号と比べると、振動のピークの大きさに変化があることがわかります。このオンライン信号にロッド荷重の切り替わり点に関する情報を加えてみます。

プログノストによるオンライン状態監視 コンディションモニタリング

ロッド荷重の切り替わりのタイミングでパルス状の振動ピークが発生しています。機器停止し、原因を調査したところ、クロスヘッドとピストンロッドの結合部に(赤枠部)が緩んでいたために、ガタツキが発生していたことが分かりました。

プログノストによるオンライン状態監視 コンディションモニタリング
 

h2midashi クロスヘッド振動の36セグメント別解析

プログノストによるオンライン状態監視 コンディションモニタリング

ケーススタディで見てきたオンライン信号は、システムの中ではパラメータ値に変換され、しきい値をもって監視されます。オンライン状態監視システム「PROGNOST®」の特徴の一つに、1回転の振動を36セグメントに分けた振動パラメータ値による監視があります。PROGNOSTシステムズ社では、クランクシャフト1回転=360度を、10度ずつ、36のセグメントに分割し、全36セグメントのパラメータ値に、それぞれ固有のしきい値(安全境界値/警告値)を設けることで、不良の早期検知、警告や警報発報、インターロック(緊急停止による機器保護)を行うことができるシステムを構築しています。主にクロスヘッド振動とシリンダ振動で、この解析手法が用いられます。
 

h2midashi おわりに

36セグメント別解析については、関連コラム、YouTube動画で解説しています。

関連コラム:往復動圧縮機の振動解析に革命を!36セグメント別解析の優位性を動画で解説。

文/石田有紀


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