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往復動圧縮機の振動解析に革命を!36セグメント別解析の優位性を動画で解説。

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先日ご紹介した技術資料PDF「あらゆるモニタリングシステムに求められる12の必須機能」の4つ目のポイントとして、解析手法の選択という項目がありました。

機器の状態監視をする上で、最も信頼性が高く、手法が確立されている方法は振動解析です。しかし、振動解析にもいくつかの手法があり、すべてが同じではありません。データの取得や評価手法の違いが、信号解析のクオリティに大きな影響を及ぼします。信頼性の高い早期不良検知と機器保護を行うためには、適切な評価手法を選択することが大変重要です。

本日はPROGNOSTシステムズ社が配信しているYouTubeチャンネルの中から、このトピックに関する動画解説を行っていきます。
 

h2midashi  往復動圧縮機における振動波形

回転機械の中でも、往復動圧縮機において、センサが取得する振動波形には、特徴的なピークが出現します。これはバルブ(シリンダ弁)などのメカニカルな部品挙動のインパクトに起因します。(対照的に、遠心圧縮機における良好な振動波形は、ピークのない、フラットな波形です。)

1990年代の後半、PROGNOSTシステムズ社はセグメント別振動解析という手法を開発し、クランクシャフト1回転=360度をクランク角度10度ごと(36セグメント)に分けることが最も良い解析手法であると、結論付けました。他にはない、このユニークな解析手法をご説明していきます。
 

h2midashi  セグメント別振動解析

こちらのグラフをご覧ください。横軸はクランク角度で、0度~360度です。クランクシャフト1回転時の、振動加速度のオンライン信号が中央部の波形で、典型的なシリンダ振動を表しています。ピークが複数ありますが、これはバルブの開閉挙動時のインパクトを示しています。

Why signal segmentation is superior to all analyses for reciprocating compressors1

従来のシステムでは、機器不良や損傷を検知するために、下図のように平均化した値を用いて解析を行っていました。しかし、この手法で初期段階の小さな不良兆候を本当に認識できるのでしょうか。

Why signal segmentation is superior to all analyses for reciprocating compressors2

そこで、PROGNOSTシステムズ社では、クランクシャフト1回転=360度を、10度ずつ、36のセグメントに分割する手法を編み出しました。

Why signal segmentation is superior to all analyses for reciprocating compressors2

全36セグメントに、それぞれ固有のしきい値(安全境界値/警告値)を設けることで、不良の早期検知、警告や警報発報、インターロック(緊急停止による機器保護)を行うことができるシステムを構築しました。
 

h2midashi  セグメント24を例に解析

再度、YouTubeチャンネルに戻って、セグメント24を見てみましょう。

Why signal segmentation is superior to all analyses for reciprocating compressors4

振動のエネルギー量が大きくなるにつれて、セグメントの値も大きくなり、ある時、しきい値を超過します。では、セグメント24がしきい値を超過したことで起こる事象とはどのようなことでしょうか。それも、セグメント別解析であれば、正確に把握することができます。

セグメント24はボトム側の吸入弁が開く際のクランク角度位置です。この不良は吸入弁におけるスティッキング(固着)である可能性があります。

このような解析をオンラインで常時実施することにより、回転機器の保護、不良の重症化を防ぐことが可能となります。

さらに一歩踏み込みますと、振動信号は最も正確な数学的解析を用いて評価されなければなりません。往復動圧縮機の解析において最も信頼性が高いのは、RMS(Root Mean Square:二乗平均平方根)解析です。RMS解析は振幅だけでなく衝撃エネルギーの総量も解析の要素に含まれていることから、優れた解析手法とされており、PROGNOSTシステムズ社ではこの解析手法を採用しています。
 

h2midashi  おわりに

YouTubeでは、往復動圧縮機のそれぞれの機械要素の動きと、オンライン信号を同時に確認できるアニメーションを用いながら解説しています(約8分)。日本語字幕の設定もできます。

文/石田有紀


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