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保全方式をおさらいしてみよう

Hands holding up method against global business graphic in blue

食品メーカーや上下水道関連会社で広まってきている、「予知保全」の考え方。先日、製品プレゼンをする機会があったのですが、そのお客様も適切なタイミングで軸受を交換したいという想いのもと、診断ツールを探しているとのことでした。

実は私がこの業界に入って初めに苦労したのが、保全に関するワードでした。BMやらCBMやら、何の略語かもわからないまま、とりあえずメモを取り、後で調べる。今思えば、言葉の意味がわかっていれば、その場で理解できることも多かっただろうし、何よりヒアリングも楽だったのに…。

最近、またこれらのワードを耳にすることが増えてきましたので、復習も兼ねて保全に関連した用語を少し深堀してみようと思います。

設備のさまざまな保全方式

まずは、保全の定義を調べてみました。

保全は保守あるいは整備ともいわれ、設備を運転可能状態にし、故障や欠点などを回復するための処置および活動である。
保全は管理上、設備の故障発生を未然に防止するために行う予防保全と、故障発見後に設備を正常状態に修復させるために行う事後保全に大別される。
引用元:機械設備の状態監視と診断【第3版】 振動技術研究会

保全方式の分類

さっそく「予防保全」と「事後保全」が出てきました。この二つの大きな違いは、保全のタイミングですね。故障の前に行うのが予防保全、故障してから行うのが事後保全で、事後保全はBM(Breakdown Maintenance)とも呼ばれます。

でもちょっと待ってください。この定義では予知保全ではなく、予防保全という言葉が使われています。この二つの違いは何なのでしょうか。
ネットで調べたところ、同じ定義で使用していることが多いようですが、このような表現をしているサイトもありました。

「事後保全」や「予防保全」を見直して考えられるようになったのが「予知保全」あるいは「状態監視保全」などといわれる方法です。機械設備がこわれたら直すとか、常に部品の定期交換をするというのではありません。機械設備の定常的な運転状態を計測して、その結果から故障や異常の発生する前ぶれを察知して修理・復元を行うのです。定常的な運転状態の計測。これが今までの保全と違う点です。

引用元:機械の予知保全とは JUNTSU NET21

予防保全や予知保全では、”未然に防ぐ”という概念がベースになっているんですね。

 

故障を未然に防ぐために考えられた2つの手法 「TBM」と「CBM」

ここで”図 保全方式の分類”を見てみると、予防保全には2つの方式があることがわかります。「時間計画(基準)保全」と「状態監視保全」ですね。それぞれ「TBM(Time Based Maintenance)」、「CBM(Condition Based Maintenance)」という略語が使用されることも多いようです。
各用語を端的に、このように表現している書籍がありました。

「TBM」:周期を決め、その周期に従い、定期的に保全を行う。
「CBM」:劣化傾向を管理し、故障にいたる前の最適な時期に最善の保全を行う。
「BM」:機械に故障が発見された段階で保全を行う。

引用元:『一番最初に読む機械保全の本』 吉川達志著 日刊工業新聞社

TBMでは、”時間”を基準に、CBMでは”劣化傾向”を基準にしています。確かに、ある箇所で部品が毎回1年弱で壊れているなら、交換してから1年後に再度交換を行えば、また1年は問題なく稼働できそうです。では、”劣化傾向”はどのように管理すればいいのでしょうか。

実は、劣化には部品によって個有の劣化パターンがあります。特に有名なのは、「バスタブ曲線(またはバスタブカーブ)」と呼ばれ、回転機で故障発生が多い箇所として知られる「軸受(ベアリング)」はこの劣化パターンに当てはまるといわれています。

さいごに

保全の手法としては「ヒト」がメインの聴音や触診、「ツール」がメインの振動法やオイル分析が挙げられます。劣化パターンと深い関係があるバスタブ曲線。こちらは次回以降に解説します。

文/石田有紀

※ 2015年9月29日「社員ブログ」記事の再投稿です。


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