こんな課題・お悩みをお持ちの方向けの記事です。
イージーレーザー®XT190はベルトのアライメント調整用のレーザー発信器と受光器がセットになったシステムです。XT190を用いたベルト/プーリーの芯出し(平行度・平坦度測定)方法と、正確な芯出しによって得られるコスト効果のケーススタディを紹介します。
イージーレーザー®XT190ベルトアライメントの使用方法
①レーザー発信器を固定側機械に設置
②受光器を調整側機械に設置
③全ての磁石面がプーリーに密着しているかを確認
デジタル計測:
目視計測:
④受光器の電源を入れる
⑤ONを押し、レーザー発信器を起動
⑥測定結果(オフセット、水平度、垂直度)を確認
⑦測定結果画面を見ながら調整を行う
最初にプーリー、それから機械の調整に進みます。一方だけ機械を調整すると、機械の他の箇所に影響を与えることがありますので、この手順を数回繰り返します。
オフセット:軸のジャッキネジで可動側機械のオフセットを修正、または、シャフト上のプーリーのひとつを位置調整します。
垂直方向:可動側機械をシム調整して、垂直方向の角度ずれを修正します。
水平方向:水平方向の角度ずれは、可動側機械を側面のジャッキネジで修正します。
お手持ちのスマートフォンやタブレットに専用アプリをダウンロードすれば、分解能0.01mmで結果表示が可能です。すでにディスプレイユニットをお持ちの場合は、そちらに結果を表示することもできます。
ベルト伝動装置において、メーカー推奨の最大公差は、通常 0.25–0.50°の範囲です。ベルトのタイプによって異なります。特定のベルトタイプの設計マニュアルを参照してください。
イージーレーザー®でベルト芯出し(平行度・平坦度測定)を行っている企業のコスト削減事例
イージーレーザー社のブログ記事からイージーレーザー®ベルトアライメントを利用している企業の利用例をご紹介します。
ケース①:Stora Enso社
スウェーデンのStora Enso社は2003年から、予防保守プログラムの開発に注力してきました。すべてのシーブ/プーリーの大幅なコスト削減に向け、以前在籍していた保守マネージャーが第一歩を踏み出しました。Stora Fors社の機械保守部門のJan OveWestlund氏は「イージーレーザー®製品の導入が大幅なコスト削減につながることに気づきました」と語ります。
「イージーレーザー®ベルトアライメントを使用してシーブ/プーリーのアライメント調整を開始してから、ベルトとプーリーの消費量が大幅に削減されたと言っても過言ではありません。これは、機械の稼働率をさらに高めることを意味します。私たちのように、250にも及ぶシーブ/プーリーがある企業の担当者には、簡単にご理解いただけるでしょう。ツールは非常にユーザーフレンドリーな設計になっています。」
Stora Fors社では、調整の前後のエネルギー消費量の計測を実施。5〜20パーセントもエネルギー消費量を抑えられていることが判明しました。そこで、真空ポンプ、パルパー、ミキサー、シーブ/プーリー駆動フィルターなど、最も重要な機械において、次の2つのポイントに焦点を当てて作業を行うことにしました。
・イージーレーザー®ベルトアライメントを使用し、シーブ/プーリーのアライメント調整を実施。
・プーリーへアクセスしやすいように、固定ガードを、アライメント作業のために開きやすいハッチ付きのガードに置き換え。
プーリー、ベルト、ベアリングなどの交換部品の平均コスト:シーブ/プーリー 200個x70,000円/年=14,000,000円
7円/ kWhの平均25kWモーターを備えたシーブ/プーリー 200個を8000時間稼働したケースの省エネ(平均):28,000,000円
抄紙機のダウンタイムの回避(24時間):28,000,000円
(1ユーロ=130円相当で算出)
ケース②:SSAB社
スウェーデンのボルレンゲにあるSSAB社は、200以上のシーブ/プーリーを所有しています。プーリー、ベルト、ベアリング、シールで構成されるパッケージの平均コストは約6~7万円です。仮に稼働時間を1年から2年に延長することができれば、パッケージあたり約3万円の節約になります。イージーレーザー®ベルトアライメントを使用して年間50個のパッケージを調整すると仮定すると、160万円の節約になります。
幅の広いベルトが複数あるトランスミッションは特に敏感です。正確にアライメントされていない場合、内側と外側のベルト間のベルト張力が大きく異なってしまう可能性が高く、すべてのベルトが最適に駆動されるわけではないため効率が低下してしまいます。1つのベルトが摩耗したら、すべてのベルトを同時に新しいベルトと交換する必要があるので、全体のオペレーションに追加の費用がかかります。幅全体に対してかかる張力が不均一になるため、幅の広いベルトほど、影響が大きくなります。正確なアライメントを行えば、簡単に耐用年数を延ばすことができます。これらのタイプのベルトとプーリーのコストに関しても、大幅な削減が可能です。
※本サイトは鉄原実業株式会社が運営しております。
文/いしだ