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●●設備での不良発生を防ぐ!診断・保全ツール4つ

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風のエネルギーで風車を回し、このときの回転運動を発電機を通じて電気エネルギーへと変換する風力発電設備。クリーンな再生エネルギーとして知られています。日本でも沿岸部に行くと何台もの風車が並ぶ光景を目にすることがありますね。

2020年、洋上風力発電の規模を2030年までに1000万、2040年までに3000万~4500万キロワットまで引き上げるという目標を日本政府が発表しました。

領土における海洋面積が広いにもかかわらず、これまで日本はほとんど洋上風力に手をつけていませんでしたが、本格的に対応が進みそうです。

特に洋上風車は保守管理要員が制限されやすく、メンテナンスには工夫が必要です。

風車は主にブレード(羽)、タワー、ナセルの3つで構成されており、それぞれ必要なメンテナンスが異なります。風力発電設備の保守に使用できる技術、製品を解説します。

ご紹介している製品はいずれも生産・製造設備やインフラ系企業でも使用されています。

風量発電設備のメンテナンスツール

 
当社の取り扱い製品を使用すると、下記の測定、診断を行うことができます。
① 増速機~発電機間のカップリングの軸芯出し
② タワーの平面度測定
③ 主軸受診断
④ 各種機械のオンライン常時状態監視

イージーレーザー®による風車カップリングの芯出し

 
イージーレーザー 平面度測定

カップリングの軸芯出しにはレーザー式のシステムが便利です。特に風車におけるメリットは、「カップリングを分解しないで芯出しができる」という点です。レーザー式はダイヤルゲージと比べ、分解能が高く(ダイヤルゲージ;0.01mm、レーザー式;0.001mm)、振動の影響を受けにくい(フィルタの設定が可能)です。

イージーレーザー®は初心者でも簡単に軸芯出し作業を行うことができます。ライブモード採用により、シム調整結果が即表示されるため、再計測は基本不要で、作業時間短縮につながります。ライブモードとは、軸(シャフト)を半回転程度回すだけで、ディスプレイユニットに現状の偏芯・偏角、そして調整シムの厚みまで瞬時に表示する機能です。測定完了後は自動でレポートのフォーマットに結果が入力され、Excel・PDF形式で書き出すことができます。

欧州だけでなく米国でも数年前から導入が進んでいます。難しい計算が不要で、覚える工数も少なく、半日程度のトレーニングでどなたでも芯出し作業ができるようになるため、ウィンドファームのほか、工事会社やメンテナンス会社、プラントの保全などでも利用されています。

導入事例:風力発電メンテナンスlink1

イージーレーザー®によるタワーの平面度測定/軸芯出し

 
イージーレーザー 平面度測定

日本ではあまりメジャーな測定方法ではありませんが、タワーの平面度測定もイージーレーザー®で測定可能です。レーザー発信器D22の設置用治具は三脚やマグネットタイプなど、幅広く用意されています。受光器用の治具も同様です。測定に必要なものはすべて簡単に持ち運べます。

測定結果はディスプレイユニット上に表示されますので、画面を見ながら調整を行えます。表だけではなく、グラフィックを使用しているので視覚でも確認できます。

風車以外でも、機械据付時のレベル出しや、工作機械の各種測定(平行度、平面度、直角度、真直度)、タービン・ボアのアライメント(通り芯)調整などにも用いられている技術です。

関連コラム:風車タワーのフランジ平面度測定link1

イージーレーザー 平面度測定

EMセンサを使用した主軸受診断

 
EMとはElectromagnetic sensor(エレクトロ・マグネティック)の略で、電磁誘導、すなわち磁石の力と発生する電流を軸受診断に応用した非破壊検査の一種です。磁束と導体によって発生する渦電流の変化を計測装置で捕捉することで、部品の物理的な動きを可視化することができます。磁場の揺らぎをとらえているため、振動やAEでは計測が困難な設備に対し、有効な計測手法とされています。

風車であれば、主軸受の診断事例があります。某ウィンドファームでは主軸受の潤滑不良が原因で風車を長期停止せざるを得ない状況が続きました。主軸への給脂不良状況を早期に見極めるため、グリス分析を実施してきましたが、簡易分析器は計測値にばらつきがあり精度が低く、外部委託による詳細分析は実施頻度低いため、いずれも早期検知には不向きでした。

そこで主軸近傍にEMセンサを設置し、運転状態でデータ取得し、FFTによる詳細解析を行いました。軸受不良を示す周波数が確認されたため、主軸受の開放を実施したところ、外輪に損傷が確認されました。

主軸受の回転数は15rpm程度と、かなり低速のため汎用の振動計での不良検知は難しいとされていますが、EMセンサを利用することで致命的な損傷になる前に保全対応をすることが可能になります。

製紙会社など、低速の軸受がある企業でも利用されています。

オンライン常時状態監視によるCBM

 
昨今のオンライン常時状態監視システムは振動加速度や速度センサをメインに、独自技術を織り交ぜたものが主流になりつつあります。インターネットを介して、さまざまな情報をやり取りできようになり、送付できるデータ容量も飛躍的に大きくなりました。特に洋上風力のように、常駐が難しい場所向けに海外では積極的にオンラインシステムを活用しています。

当社でお取り扱いしているBachmann社のOmega Guard(オメガガード)は、μ(マイクロ)ブリッジセンサという材料の内密度変化を検知する特殊センサを使用することで、低速回転軸受の不良検知が可能です。Omega Guardを運用、風車の主軸受でFFT解析を実施し、解放した結果、外輪の破損が検知できた際の取得データがこちらです。

オンライン 常時 状態監視 システム

ギアボックスなど、軸受以外の不良検知も可能です。設置経験のあるギアボックス型式は85種類、450以上のウィンドファームへの納入実績があります。据付実績のある風車型式については設置マニュアルが作成されています。具体的には必要センサ数、センサ設置個所、センサ設置角度、CMS設置個所、既存部品の取り扱い、配線方法に至るまで明確に規定されています。マニュアルがない場合でも、豊富な設置経験を持った担当によるセンサ設置個所のコンサルティングを受けることができます。

Bachmann社の解析専任の担当が常時データ解析を行い、早期不良告知やメンテナンス対応のアドバイスを実施するサービスもありますので、今までに振動診断の経験がない方でも安心してご利用いただけます。

おわりに

 
海を見たら風車が見える--数年後にはこのような景色を見ることができる地域があるのでしょうか。安定した電力を得るためには、安定した稼働が不可欠。さまざまな技術を駆使いただいて、長く稼働させ、ぜひ電気代低減につなげていただきたいです!

ご紹介した製品は生産設備にもご利用いただけますので、ご興味ある方はこちらからお気軽にご連絡ください。

文/いしだ


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