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押し出し機トラブルによる損失●千万、回避のための対策とは??

Engine gears wheels and cogwheels. Industrial background. 3d illustration

樹脂製品の製造や加工において、重要な役割を果たしている「押し出し機」。数ある設備の中でも、不良が起きやすく、加えて部品の状態診断が難しいとされてきました。特に、スクリューとシリンダー(バレル)が接触するような重篤トラブルの場合、その損失額は数千万円にのぼることもあると聞きます。

本日は押し出し機に焦点を当て、損失回避のためにできる対策を解説していきます。
 

h2midashi 押し出し機のトラブル

押し出し機で起こりうるトラブルはさまざまありますよね。スクリューが抜けない、スクリューが摩耗している、シリンダーから樹脂漏れ(水漏れ)しているなど……。弊社にお問い合わせいただくお客様が抱えるお悩みは下記2点が多いです。

①シリンダー通り芯のズレ
②減速機内部のギア不良(減速機から異音がする)

これらのトラブルを回避するために①であれば、ギアボックスのシャフト中心と押し出しバレルの中心線は、ぴったりと重なっていなければなりません。さもなければ入口端のスクリューがバレルに押さえ付けられスクリューとバレルの両方に異常な摩耗が生じ、電力の浪費につながったり、摩耗により金属の破片が製品に混入したりする場合もあります。通り芯の確認、高精度な芯出しは安全・安定した機械運転のために重要な項目です。

通り芯の確認方法としては、テストバーをシリンダーに通して、シリンダーの真直度を確認する手法があります。仮にテストバー自体の真直度がずれていた場合、精度よく芯出しすることができませんから、テストバーの真直度の確認も定期的に必要になります。

②であればTBM(タイムベースメンテナンス)で部品が壊れる前に定期的に交換するか、CBM(コンディションベースメンテナンス)で部品の状態診断を行うことが一般的に推奨されていると思います。しかし、ギアボックスは、低速回転のため振動計での診断が難しかったり、ギアの噛み合いによるノイズが発生し、傷に起因する信号が埋もれてしまい、正確な診断がしづらかったりといった事例が多く報告されています。

当社では2000年ごろから、「MHC」というAE技術を用いたベアリング診断器の輸入販売をしており、このようなお悩み、課題をお持ちの企業からお問い合わせをいただいてきました。その課題を解決できる製品や技術をご提案するべく、20年近くにわたり、情報収集を続けてきました。

最近ではこれらの課題に対して、海外メーカーが開発・販売している「レーザー式システムでの芯出し」と、「オンライン状態監視・診断システム」をご紹介しております。
 

h2midashi 通り芯の芯出しを高精度で実現「イージーレーザー®」

イージーレーザー®は、スウェーデンのイージーレーザー社が販売しているレーザー式の測定器です。現場の精度測定を高精度かつ、誰でも簡単に行えるようシステム設計されているのが特徴で、さまざまな用途向けに製品ラインナップが用意されています。

押し出し機の通り芯(真直度)確認用に開発されたイージーレーザー®E930は、最小直径50mmから、測定距離は最大40mまで対応しております。主な製品構成はレーザー発信器と受光器、測定結果を表示するディスプレイユニット、受光器をセットするチューブアダプタの4点です。

チューブアダプタは実際のシリンダー(バレル)径にあわせて製作しますので、別途費用が発生しますが、こちらを製作いただきますと、実機を持ち込み、対象の押し出し機で実際にデモンストレーションを実施することが可能になります。実機デモの前に、原理や使用方法の概要説明のため御打合せの場を設けていただきますが、自社設備で適用できるのか、どの程度作業効率が改善されるのかといったポイントは、実機デモでご確認いただくのが一番です。

測定手順は、ディスプレイユニット上に順次表示され、測定結果や調整値までシステムが自動計算し表示します。作業員の習熟度に左右されず、どなたでも作業を実施できるため、結果的に作業時間短縮になったというケースもあります。

イージーレーザー®E930 製品カタログ
 

h2midashi 押し出し機ギアボックス(減速機)のコンディションモニタリング「PROGNOST®-プレディクター」

通り芯が問題なくても、ギアボックスで異常が起きた場合、生産はストップしてしまい、損失が出てしまいます。冒頭で述べた通り、場合によっては数千万円の損失につながるケースもあり、どの企業の設備保全担当者も頭を抱えている設備だと思います。

なぜ、押し出し機のギアボックスの状態診断が難しいとされているか。それは「低速回転」かつ「ギアの存在」です。

撹拌機や反応器などの低速回転機器の軸受診断に「AEセンサを採用しているベアリング診断器 MHC」をご利用いただき、適切なタイミングで軸受交換ができた事例は複数ありますから、「低速回転」=状態診断ができないわけではありません。しかし、近くでギアが回っている状態ですと、ギアの噛み合いの周波数帯域が、MHCが取得している周波数帯域と非常に近く、その切り分けのため、FFT解析の高度な知見が必要になり、状態診断の難易度がぐっとあがってしまいます。

当社にお問い合わせをいただくご担当者の多くは「できる限り簡単に診断したい」「ベテランが退職し、設備診断の知見を持ったものがいなくなったので、何とかしたい」というお悩みを抱えています。なかには、「製造部門が日々の業務と兼務しながら、設備の異常がないか点検を行っている」という企業のご担当者も含まれていて、MHCではなかなかご要望にそえずにいました。

その状況を変えるべく、満を持して取り扱いをはじめたのが「PROGNOST®-プレディクター(Predictor)」。どの軸受やギアに異常が発生しているか、どの程度の不良なのかを誰でも3クリックで確認できるよう、設備ごとにグラフィック表示で部品の状態を見える化した回転機械の常時監視と自動状態診断システムです。

PROGNOST®-プレディクターは、特殊解析により、すべり軸受、転がり軸受、ギア、モーター、シャフトといった複数の部品を監視します。異常を検出すると、その異常の特性を損傷周波数の統合されたデータベースと比較します。この異常が実際の不良パターンと一致すると、正確で信頼性の高い診断が実施されます。

「予備機がないから、早期に不良検知し、計画的な保全計画を立てたい」「CBMに移行し、部品の使用期間を延ばしたい」「設備診断の知見がない担当でも診断結果に基づき、適切な保全活動を実施する」いずれの目的に対してもアプローチできる製品です。

PROGNOST®-プレディクターでできること、特徴やメリットの解説資料をご用意しております。PDFをダウンロードいただくか、印刷カタログをご希望の方はお問い合わせページからご請求ください。

PROGNOST®-プレディクター解説資料PROGNOST®-プレディクター製品ページ
 

h2midashi おわりに

今回のコラムでは押し出し機のトラベル回避をテーマに2種類の製品をご紹介しました。特にイージーレーザー®E930は、現場の作業員の方々はもちろんのこと、役員クラスの方々が興味を持ち、トップダウンで導入に向けて本格検討いただくこともあります。芯出し結果を数値化して確認したいという課題の解決に向けて、もしくはベテラン作業員の方々が支えていた現場作業において、退職や技術継承問題で従来の作業効率、精度を保つことが難しくなってきたが、外注は極力避けたいといったご要望にそう製品だからこそだと思います。

特に海外では、流動的な雇用形態から、このように利便性の高いシステムや技術を積極的に開発する企業が多いですから、今後の動向にも注目です。

文/石田有紀

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