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モニタリングシステムに求められる12の必須機能 ~往復動圧縮機のオンライン状態監視~

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本日は、PROGNOSTシステムズ社が発行しているPDF資料をベースにモニタリングシステム(オンライン状態監視システム)に求められる12の必須機能についてご紹介します。機器の監視と診断についてのガイドラインとして、システム導入検討時の参考にしていただければ幸いです。記事全文はPDFでご覧いただくことができます。

icon_1r_48あらゆるモニタリングシステムに求められる12の必須機能 ~往復動圧縮機のオンライン状態監視~

h2midashi はじめに

世界中の専門家は、継続して機器の監視を実施し、モニタリングシステムから得た情報に対して適切な対処をすることが、往復動圧縮機を効率よく安全に運転するための唯一の手段であると述べています。

シンプルな目標ではありますが、実行に移すのは困難です。機器の監視と診断を実行するにあたり、計装、システム、方法論といった、さまざまな事項が複雑に絡み合います。そのため、説明を受けても、どれも似たようで、場合によっては正反対なこともあり、混乱することがあるかもしれません。

こちらのガイドラインはPROGNOSTシステムズ社が発行している関係上、我々の見解が強く反映されています。 我々は20年以上にわたり、世界各地でモニタリングシステムの運用に携わり、開発を進めてきました。この見解はそこから得た知識と経験の集大成です。我々の豊富な経験が、モニタリングシステムの評価、比較検討の一助となることを願っております。

h2midashi 12の必須機能

1. システム拡張性
2. 自動診断とメッセージ
3. 早期損傷検出
4. 解析手法の選択
5. 性能最適化
6. SIL認証
7. 運転条件の自動認識、しきい値調整
8. ロッドポジション変位のモニタリング
9. データ保管と再現
10. システムベンダーの独立性
11. 長期のパートナーシップ
12. フィールド経験

PDF資料では項目ごとに、「なぜ重要か」と「システム選定のポイント」を解説していますが、このコラムでは、「なぜ重要か」を抜粋して掲載します。

h2midashi 1. システム拡張性

状態監視システムは次に挙げる効果をもたらします。システムは2つの点で変更が容易でなければなりません。第一に、機能面の仕様変更が可能であることが重要です。新機能や計装ループの追加に対応しているシステムであれば、予定外のコストをかけずに済みます。第二に、システム拡張が容易であるとよいでしょう。 言い換えると、他の機器も追加で監視を始めたいときに、容易に監視対象機器を増やせるかどうかがポイントになります。仕様変更や拡張に対応できるシステムなら、常に最新の状態に保つことができ、システム開発のメリットを享受できます。 システム運用の経験が豊富になるにつれ、導入当初は必要ないと思った機能の追加や、監視対象に加えたい機器が増えるかもしれません。拡張性のあるシステムは、シンプルかつ、費用対効果の高い道筋を示してくれます。

h2midashi 2. 自動診断とメッセージ

異常有無の把握は容易でも、その異常の①発生個所、②異常レベルを把握することは容易ではありません。モニタリングシステムは単に問題を警告するだけではなく、具体的に損傷が発生している部品を特定し、その場所や損傷範囲に関する正確な診断を行います。この情報により、取るべき保全方法や要する時間について、十分な根拠に基づいた意思決定を下すことができます。

h2midashi 3. 早期損傷検出

時間基準保全(TBM)の時代は終わりました。 最新のモニタリングシステムは不良の進行を正確に検知し、故障が発生する前に通知することで、状態基準保全(CBM)を実現します。不良の早期検知は機器の損傷、突発停止を防ぎ、安全性の向上、運転コストの削減に寄与します。 誤警報のない、スムーズな運用を進められるかどうかは、運転条件に関わらず、機器不良を早期かつ正確に検出することができるシステムの採用にかかっています。

h2midashi 4. 解析手法の選択

機器の状態監視をする上で、最も信頼性が高く、手法が確立されている方法は振動解析です。 しかし、振動解析にもいくつかの手法があり、すべてが同じではありません。 表面上は、データの取得や評価手法の違いが、信号解析のクオリティに大きな影響を及ぼします。信頼性の高い早期不良検知と機器保護を行うためには、適切な評価手法を選択することが大変重要です。

h2midashi 5. 性能最適化

圧縮機の性能最適化には、明確な利点があります。効率の良い運転、消費動力の削減、生産量の増加などです。運転効率の管理には、初期段階でのガス漏れに対する警告などのメリットもあります。 残念ながら、振動、ピストンポジション、温度のみを重視する多くのモニタリングシステムでは効率の低下に関しては検知されないことがあります。他の重要なパラメータと同じように、機器の運転効率に関しても、継続してモニタリングする必要があります。

h2midashi 6. SIL認証

SIL認証について理解することは重要です。SIL(Safety Integrity Level)認証とは、安全に関わるシステムの安全性能を評価する尺度で、IEC 61508によって定義されています。監視システムへの適用時、SILは保安システム作動要求時のシステム自体の不良可能性を評価します。誤警報や不良の見逃しといった、状態監視の精度とSIL認証は無関係ということは覚えておきたいポイントです。SILレベルによるシステムの安全性評価を実施する前に、対象機器の重大損傷を回避するために要求される最適なSILレベルを決定することに、まずは留意する必要があります。言い換えると、IEC61508はリスクベースの基準であり、これを適用するためには、リスクの許容度に関する基準が、各機器で設定されなければなりません(例:HAZOP評価の実施等)。

h2midashi 7. 運転条件の自動認識、しきい値調整

なぜ往復動圧縮機は長い間、多くの現場で運用され続けてきたのでしょうか。理由の一つとして、往復動圧縮機は様々な条件に対して、柔軟に対応できるという点が挙げられます。荷重、回転数、容量、ガスなど、運転条件を柔軟に変更できる圧縮機として、多くのオペレーターに重宝されてきました。しかしながら、モニタリングシステムによる不良検知という観点では、その複雑さは悪夢そのものです。異なる運転条件での機器の運用は、挙動に大きな変化をもたらします。これらの運転条件の変化の検知と、しきい値設定の変更を同時に行うことは大変複雑です。適切に実施されなかった場合、誤警報や不良の見逃しを招きます。

h2midashi 8. ロッドポジション変位のモニタリング

ロッドポジション解析により、摩耗の兆候を知ることができます。最も効果的なモニタリングシステムは、駆動部に関する差し迫った損傷を特定するためにロッドポジション変位を取り入れ、他のパラメータも併せて統合的に解析します。ロッド変位解析は、以下の二つの問題における警告や警報発報のために有効です。一つ目は、機器保護用の動的信号として、駆動部の状態や、接続部緩み、過剰負荷などの機械のメカニカルな問題を特定します。ロッドポジション解析は、特にピストンライダーリングの摩耗兆候を把握するのに有効なだけでなく、ロッドやピストン、シリンダでの深刻な損傷を早期検知します。必要に応じて機器をシャットダウンすることで、機器の安全性を確保し、最低限の損失でメンテナンスを実施することができます。

h2midashi 9. データ保管と再現

優れた技術を搭載したモニタリングシステムは、主原因を特定するための十分な詳細説明をせず、機器の緊急停止を実行します。オペレーターに与えられた選択肢にはどのようなものがあるでしょうか? 詳細確認のための機器再起動は重大損傷のリスクがあります。 手がかり無き保全対応は、時間、費用、生産性の観点から無駄な行為となります。

h2midashi 10. システムベンダーの独立性

安全性や効率、コスト削減、環境への配慮といった、あなたが掲げるゴールをモニタリングシステムのベンダーとシェアしましょう。さらに、システム開発、技術サポート、機器の状態評価などに影響を与えるビジネスとシステムベンダーの間には利害関係がないことが理想です。

h2midashi 11. 長期のパートナーシップ

モニタリングシステム設置後の運用はユーザー任せという状況は看過されるべきではありません。多くの機能を有すモニタリングシステムは、その重要度と複雑さゆえに、ベンダーからの継続的サポートが必要です。サポートがあれば、システム導入の十分な効果が出て、投資対効果も最大化します。あなたが受けられるサポートは、システム機能を有効活用するためのトレーニングや質疑対応、また、システムを長期間、最新状態に保持するための継続的な製品開発、といった形で提供されます。

h2midashi 12. フィールド経験

導入実績が多く、数多くの現場で運用されてきたモニタリングシステムでなければ、信頼性のあるシステムとはいえません。研究所でいくらテストをしても、実際の運転環境、状況を再現することはできません。長期間にわたる様々な運転環境となれば、なおさら不可能です。それでは、モニタリングシステムが期待通りの活躍をしてくれるか、システムに表示される情報が正確か、どのように評価すればよいのでしょうか。

「システム選定のポイント」に関する解説はPDF資料で是非ご覧ください。
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文/石田有紀



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