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Industry 4.0(第四次産業革命)を実現する9つの技術

Industry 4.0

IoT(Internet of Things)による予知保全は、近年、その注目が高まっています。しかし、それ以前から、プロセスプラントではすでに温度や圧力、振動などのデータをDCSに取り込み、モノに関するデータの集積を行っていました。そのため、プロセスプラントの設備保全におけるIoTの流れの中で顕在化する課題は、蓄積してきたデータを、「どのように予防保全や予知保全につなげるか」であり、各社のITご担当者様が、既存データの傾向を検証することが進められてきました。

一方で、データ収集が十分ではなかった設備に対しては、近年、広がりを見せているワイヤレスセンサを試験運用する動きが出てきていました。ワイヤレスセンサの特性は各社それぞれであり、事業者の皆さまは最適な選定のため、さまざまな工夫をされていると思いますが、バッテリの問題や検知精度などに課題が残ることもあるようです。いずれの動きも、将来的な人手不足への備えであり、設備保全の高度化による競争力の強化のためと考えられてきました。
 

h2midashi コロナ禍がもたらす影響

そして、この流れの中で、新型コロナウィルスの脅威が迫ってきました。これにより、従来のような外部業者の頻繁な往来が難しくなり、一部では自宅にて業務対応をする保全担当の方も出てきているようです。そのような環境を強いられても、従来通り実施しなければならないもの、例えば、定修や機器の定期メンテナンスなどがあり、協力会社様を含む多くの方が細心の注意を払って対応されています。

場合によっては数か月~年単位でWithコロナの時代が続き、今後も感染のリスク軽減、安全を確保しつつ、従来と同様の品質を保つ努力を続けることが求められる世の中になっていくと想定されます。日常点検においても、「現場に行って確認」といった従来型の五感をフルに生かした対応が今後は難しくなり、「省人化」「効率化」のほかに「部分的な無人化」も求められるかもしれません。

このような状況において、IoTを用いたプラント保全の自動化・自律化のニーズは更に高まると考えられます。これらには課題もありますが、コロナウィルスのような感染症のリスクを軽減するには、人との接触可能性を減らすことが、一つの有効な手段として実証された以上、人が介在しないやり方をこれまで以上に検討する必要が出てくるのではないでしょうか。

そこで参考になるのが、ドイツが産官学連携して進めているインダストリー4.0(第四次産業革命)です。今回は、インダストリー4.0とは何か、それに必要な技術をどのように実現するかの参考例をご紹介したいと思います。
 

h2midashi インダストリー4.0を実現する9つの技術とは?

インダストリー4.0の目的は、生産工場の製造プロセスと、IoT・AI・ロボティクスなどのデジタル技術を組み合わせて、リアルタイムなビッグデータの活用や、生産ラインの自動化・自律化を推し進めることにあります。そして、その推進のために必要な技術として、ボストンコンサルティンググループが下記の9つの技術を紹介link1しています。

①Autonomous robots(自律型ロボット)
②Simulation(シミュレーション)
③Horizontal vertical system integration(水平垂直統合型システム:バリューチェーン内でのより顕密かつ統合された情報共有等)
④The industrial Internet of Things(IIoT)
⑤Cybersecurity(サイバーセキュリティ)
⑥The cloud(クラウド)
⑦Additive manufacturing(付加製造:3Dプリンタ等)
⑧Augmented reality(拡張合成:現実風景への情報合成表示するスマートグラス等)
⑨Big data and analytics(ビッグデータと解析)

この中に”The Industrial Internet of Things”つまり”IIoT”も含まれていますが、ポイントは”IoT”も一要素に過ぎないという事実です。インダストリー4.0を成し遂げるためには、この他にも”The Cloud(クラウド)”や”Big Data and Analytics (ビッグデータと解析)”といった部分の適用が求められ、”Cybersecurity(サイバーセキュリティ)”の強化も要求されています。
 

h2midashi ビッグデータとファジィ理論を用いたオンライン状態監視システム「PROGNOST(プログノスト)」

当社が取り扱いをしているドイツのメーカーが開発、提供している「PROGNOSTシステム」はこれらの要素を包括的にカバーしたシステムなっています。例えば、システムが取得したデータを、貴社クラウドへ自動的に送信することも可能です。クラウド構築をされていない場合は、PROGNOSTシステムズ社のクラウドサーバーを利用することもできます。

ビッグデータとAIによる解析も、システムの不良パターンデータベース(ビッグデータ)とファジィ理論を用いた不良の可能性を定量化する技術を確立しています。サイバーセキュリティ対策としては、ファイアウォール、VPN、ファイル暗号化、ポートセキュリティの採用といった技術を駆使して、データの流出を防ぐ手段を確立しています。

関連コラム:注目ワードの「ビッグデータ・AI」。回転機械の保全ではどのように活用される?
 

h2midashi おわりに

一方で、インダストリー4.0に必要な技術を部分的に導入しても、いきなり省力化や効率化、無人化の実現が約束されているわけではありません。インダストリー4.0の実現に必要な技術は、包括的な計画のもと、必要なシステムを導入し、さらにそれらを継続して精緻化していく努力が必要となります。

世界の第一線を知るベンダーの動きを理解し、必要に応じてそれを国内設備に適用していくことは、次世代のプロセスプラントの展望を見極めるためにも、有効なアプローチなのではないでしょうか。

文/水野剛
編集/石田有紀


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