ジオメトリー測定のケーススタディ ~紙パルプ製造用機械メーカー編~

機械精度の測定に関して、標準的な解決策ではうまくいかないケースはありませんか?そのような場合でも、少し工夫してカスタマイズするだけで、ほとんどの測定問題を解決することができるのが、イージーレーザー®の強みです。

ジオメトリー測定を行うにあたり、イージーレーザー社はどのようにソリューション=解決策を提供しているのでしょうか?イージーレーザー社のブログ記事から、翻訳内容をお届けします。

機械メーカーが解決したい課題

2014年の初めに行われた地元の展示会で、紙パルプ製造用の大手機械メーカーの技術部門からお問い合わせがありました。その企業では、プロセスに必要なさまざまな機械や機械要素を製造しています。製造、設置、および改造を手掛けている大きなシリンダ形状の特定の個所の直径と真直度に関する偏差を測定したいというのがお問い合わせ内容でした。

時間のかかる手順

製品である大型の溶接シリンダについて詳しく学ぶため、お客様のところへ訪問しました。直径と真直度に関する厳しい公差を満たす必要があり、公差内であるか否か、偏差を修正する必要があるかを確認するために、従来の手法では内径をマイクロメートルで測定していました。製造上の公差で問題ないと判断し、真直度は測定されていませんでした。

顧客現場での設置・検査時に欠陥が発見され、それを修正しなければならない場合、時間とコストの両方がかかります。シリンダは機械内部のアクセスが難しい場所に配置されており、設置にはクレーンとマンパワーが必要です。製造テストの前に、他の重機械装置も設置する必要もあります。

解決策を探し始める

このような状況を改善するため、新しい測定手順と測定結果のレポート化が求められました。その時点では、まだ完全な解決策を提示できていませんでしたが、とても興味深い課題だったので、問い合わせを断りませんでした。解決策を模索するため、エンジニアリング部門に協力を仰ぐことにしました。

さらに一歩進んで

2014年の年末にお客様と再度打ち合わせを行い、真直度のマルチポイントプログラムに基づくアイデアを提示しました。カスタマイズ品として新しく製作したブラケット(治具)を使用し、シリンダ内部を複数個所、異なる位置で測定することにより、ソフトウェアが真直度を自動計算、結果を表示します。そのためには、既定の直径からの偏差を特定できる洗練されたソフトウェアが必要でした。

プロジェクトについて話し合いを進めるうちに、真円度を測定し局所的な偏差を特定することで、測定結果にさらに多くの価値をもたらすことができることにも気付きました。

顧客が作成するレポートについては、既定のフォーマットがあり、引き続きそのフォーマットでのレポート作成を希望していました。この点は、PCでレポートを作成できる既存のソフトウェアEasyLinkを使用し、カスタムメイドのテンプレートを作成することで解決することができました。

イージーレーザー®を使用したソリューションの提供

2015年の初めに、このプロジェクトについて合意に達し、開発部門がソフトウェアプロジェクトを開始しました。ソフトウェアはこのプロジェクトの仕様を満たす必要がありましたが、同時に、他のアプリケーションでも使用できるようにして、より多くのイージーレーザー®ユーザーが新しい機能を利用できるようにしたいと考えました。

同時に、ブラケットの機械設計が始まりました。課題の1つは、計測対象のサイズでした。直径800 mmから3200 mmまで、さまざまなサイズのシリンダの測定が必要な上、変形のリスクがあるため、シリンダを垂直にした状態で測定する必要がありました。人間工学を考慮すると、ブラケットはできるだけ軽量で、かつ、さまざまな直径に合わせて調整できるようにしなければなりません。カーボンファイバーとアルミニウムを使用することでこの点を解決しました。

予想を上回る結果

3か月後、お客様の工場で受け入れテストを実施しました。テストは私たちの期待を超えました!テスト中に、顧客はシリンダの中心線とその上に設置するフランジとの間の直角度測定にも、イージーレーザー®を活用できることに気づきました。公差が小さく、この測定は重要なポイントでした。システムセットアップが同様に実施され、測定が行われました。若干の調整後、システム納品を行い、2015年夏の終わりに技術者によるトレーニングが実施されました。

イージーレーザー®は汎用性が高く、カスタマイズが可能

今回のケースでは、カスタマイズにより、さらに用途の広いスタンダード製品が生まれました。真直度マルチポイントプログラムは、高品質の測定結果を提供します。ボアやベアリングに対して、複数の測定点を登録することで、円の中心点を計算し、高解像度で結果表示します。この新しい真円度計測機能は、真直度測定実施と同時に実行されるマルチポイントプログラムの一つです。単一のボアや、ベアリングを測定する場合は、ジオメトリックシステムの個別のアプリケーションとして、真円度測定を利用できます。

真円度測定の利点

最後に、真円度測定の利点をまとめました。
• 真直度測定の品質を評価する際の高品質データ
• オーバリティ(楕円率)の決定
• 真円に対する局所偏差の決定
• 既定の直径に対する偏差の特定

翻訳・編集/石田有紀

※本サイトは鉄原実業株式会社が運営しております。


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