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1.302025
海水ポンプを最適稼働させる!計測器で流量・芯ずれ・振動を見える化

プラントでは多くの海水ポンプが稼働していますよね。なかには、配管径が非常に大きいものがあります。
海水ポンプ周りで有用な計測器をご紹介します。
クランプオン式流量計
クランプオン式とは、配管の外に計器を設置するタイプを指します。
「配管工事が不要で運転中に取り付けができる」「流体の圧力損失がない」「機械の駆動部がないため故障しづらい」など、外付けのメリットは様々あります。特にクランプオン式流量計の特徴を最大限生かせるのが、大口径の配管です。
プラントでよく使用されるインライン流量計の設置は、径が大きいほどコストがかかりますし、配管解放には大掛かりな工事が必要で簡単にメンテナンスできずに期間や費用に影響が出ることがあります。
反対に、クランプオン流量計であれば、配管径による価格の変動があまりありません。外付け設置のため配管解放が不要で、接液しないためメンテナンス頻度も低いです。
お客様使用例
《例①》工場内の設備を冷却するため、海水をくみ上げ冷却水として使用。夏冬関係なく同じ量を取水していたが、流量計で取水量を把握することで、ポンプ稼働の最適化を実現した。
《例②》海水を取水する場合、年間の取水量を自治体へ報告する必要があった。
《例③》埋設配管でも使用可能な流量計を探していた。
Emerson(FLEXIM)社の流量計
Emerson(FLEXIM)社の流量計は高性能トランスミッタ/トランスデューサを採用。幅広い条件下で使用が可能です。
受信した超音波信号を評価するパラメータがあり、計測精度や配管状況の傾向管理に使用できます。
ポータブルタイプ、オンラインタイプ、オンライン防爆対応から選択いただけます。
レーザー式軸芯出しシステム
海水ポンプを動かすために、シャフトやカップリングを介してモーターがつながっていますが、例えばそのシャフトがずれたまま機械の運転を続けていると、軸受などの部品に大きな負荷がかかってしまいます。
芯ずれを予防するには、芯出し作業時に許容値内に収まるよう芯出しを行うことが重要です。レーザー式の軸芯出しシステムを使用することで、分解能0.001mmの高精度な芯出しが可能になります。
お客様使用例
《例①》大径のシャフトでも、レーザー式なら取り付け用の治具を簡単に設置できて時短になった。
《例②》プラントや工場から委託を受けて芯出し作業をしているが、精度の高い芯出しと、報告書の提出が義務付けられた。レーザー式は分解能0.001mmの測定が可能なため導入した。
イージーレーザー社のレーザー式軸芯出しシステム
入力が必要な項目や計測手順がディスプレイユニットに順番に表示され、現在のズレ値だけでなく、調整値(シム値)までリアルタイムで表示。芯出し初心者の方でも簡単に高精度な芯出しを行えます。大径のシャフトでも、取り付けが可能なオプション治具をご用意しています。
ポータブル型振動計
軸受傷などができると、振動が発生します。その振動を定量的に測るのが振動計です。
お客様使用例
《例①》計測対象機器が多い現場で、できる限り作業負担少なく、短時間でベアリング異常を判断するために振動計を導入。
《例②》FFT解析でミスアライメントや軸受傷の有無など、不良原因の特定を行った。
Adash社の振動計
チェコにあるAdash社では、初めて振動解析を行うユーザー向けのVibrio M、より詳細な振動解析を行うユーザ向けモデルのVA3 Pro、VA5 Proを開発。損傷状態を視覚的にわかりやすく表示する故障自動検出機能「FASIT」を搭載しています。
Erbessd Instrument社の振動計
Erbessd Instrument社が開発提供しているWiSER 3X振動センサは「ワイヤレス」×「アプリで簡単操作」×「高精度FFT解析」を実現。周波数レンジ0.5Hz~、サンプリング周波数48kHz、ライン解像度819200まで対応。高解像度の振動解析が可能です。
文/いしだ
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