デュポン™ ベスペル®CR-6100｜遠心ポンプ用摺動部品材料

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デュポン社のベスペル®CR-6100製品

特徴

デュポン™ ベスペル®CR-6100の優れた特性
デュポン™ ベスペル®CR-6100は、テフロン®CR-6100フルオロカーボン樹脂を母材に炭素繊維を含有させた複合材料で、極低温から260℃までの温度に対して使用できます。アブレシブ材(ざらつき摩耗を起こす硬い粒子)がない状態での使用で最高の性能を示しますが、固体の濃度が低い状態でも良好に使用されます。低線膨張係数、低摩擦係数、低摩耗量、高PV値はドライランでも優れた特性を示し高衝撃強度は、設置時および異常なキャビテーション、軸受損傷、高振動時等のポンプ稼動時の破損のリスクを低減します。

かじり、焼き付きによるポンプの故障リスクを低減します
ウェアリングは、設計条件外の運転により、軸のたわみが起こる時に、相手材金属に接触する場合があります。ウェアリングが金属製の場合、常時強い接触のある時は、焼き付き(溶着)や、かじりが起こりやすく、ポンプの故障、突発停止のリスクがあります。これに対しベスペル®CR-6100製ウェアリングは、ドライランなど設計条件外の運転でも、運転が可能なため、かじり、焼き付きなどによる故障の危険性を最小化し、従来の金属ウェアリングなどで見られたシャフトの曲がりを伴う広範な故障リスクを低減します。

クリアランス低減により、シールや軸受の延命、MTBR(修理間隔の平均時間)延長が期待できます
ベスペル®CR-6100製品は、ウェアリング間のクリアランスを従来の金属ウェアリングと比べて50%低減することが可能で、これにより、振動レベルとキャビテーションが低減します。その他、クリアランスが低減するとウェアリングはポンプの中で「ロマキン効果(次項参照)」として知られる流体軸受として働くため、ポンプの信頼性を向上させます。

※　デュポン™ ベスペル®CR-6100は米国デュポン社または関連会社の商標あるいは登録商標です。

デュポン™ ベスペル®CR-6100製品採用のメリット

さまざまな優位性
・高温(～260℃)まで使用できる耐熱性
・優れた寸法安定性（X-Y平面）
・無潤滑機での卓越した性能
・広範囲な薬液に対する耐薬性
・機械加工及び組付けが容易

維持管理上の利点
ベスペル®CR-6100製ウェアリングは容易に加工・組付けができることから、修理時間を短縮することができます。これにより、ポンプの稼動時間を伸ばすことができ、長期の機器修理といった運転不安を低減できます。ベスペル®CR-6100製ウェアリングは直径254mmまでの場合、半径方向肉厚3.2mmまで加工することができます。また、他の金属耐摩耗部品のように熱処理、表面硬化を必要としません。さらに、ほとんどすべての薬品に対して耐性を持ち、金属製のウェアリングと運転させることができます。

クリアランス低減の利点(ロマキン効果)
ウェアリングがポンプの中で流体軸受として働くことを「ロマキン効果(Lomakin Effect)」といい、この現象によりポンプの信頼性はさらに向上します。ウェアリングの半径方向の力は差圧、速度、プロセス流体物性、ウェアリングのクリアランスの逆数の関数になります。それゆえ、クリアランスの低減は、回転体の水力学的な半径方向の力を増加させます。多くのポンプにおいて、この水力学的な半径方向の力の増加は全般的なポンプ振動およびシャフトのたわみを低減させ、ポンプ寿命を延ばす効果を持ちます。
また、クリアランスの低減は、ポンプの内部の再循環量を減らし、より少ない馬力(すなわち、より高い効率)で、同等の生産量を得ることができます。大容量のポンプもしくは多数の機器に適用した場合、エネルギー使用の大幅削減と、コスト削減が可能になります。同様に、クリアランスの低減により、既存の機器での生産量を増やすことができます。クリアランスの低減は、標準ポンプのNPSHR（必要有効吸込ヘッド）を60-90cm低減することができ、厳しい用途に必要な余裕を与えることができます。