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設備保全におけるオンラインとオフライン状態監視。その違いとメリットとは?

Two way road pointer with "online" and "offline" directions against cloudscape

プラントや工場内の設備は、その設備の重要度に応じて監視体制を変え、保全を行っています。保全方式も壊れた段階で修理・部品交換を行うBM(Breakdown Maintenance)、一定の周期で行うTBM(Time Based Maintenance)など、さまざまです。
そこで今日は「設備保全」に焦点をあて、オンライン監視とオフライン監視の違い、それぞれのメリットについて解説していきます。
 

設備のさまざまな保全方式(復習)

保全の定義

保全は保守あるいは整備ともいわれ、設備を運転可能状態にし、故障や欠点などを回復するための処置および活動である。
保全は管理上、設備の故障発生を未然に防止するために行う予防保全と、故障発見後に設備を正常状態に修復させるために行う事後保全に大別される。
引用元:『機械設備の状態監視と診断【第3版】』 振動技術研究会

 

保全方式の分類

「予防保全」と「事後保全」、この二つの大きな違いは、保全のタイミングです。故障の前に行うのが予防保全、故障してから行うのが事後保全で、事後保全はBM(Breakdown Maintenance)とも呼ばれます。

故障を未然に防ぐために考えられた2つの手法 「TBM」と「CBM」

「TBM(Time Based Maintenance)」、「CBM(Condition Based Maintenance)」はそれぞれ「時間計画(基準)保全」と「状態監視保全」と訳されることが多いようです。それぞれ各用語を端的に、このように表現している書籍がありました。

「TBM」:周期を決め、その周期に従い、定期的に保全を行う。
「CBM」:劣化傾向を管理し、故障にいたる前の最適な時期に最善の保全を行う。
「BM」:機械に故障が発見された段階で保全を行う。

引用元:『一番最初に読む機械保全の本』 吉川達志著 日刊工業新聞社

 

オンライン状態監視

オンライン状態監視とは、常時監視方式とも呼ばれ、振動による状態監視はISOにも認定(ISO13373-1)されています。

常時監視方式
(前略)プラント各部に配置されたセンサから主効果の信号や重要な機器に取り付けた2次効果の振動信号などを現場から中操などに送り、オンラインで常時監視する方式である。(中略)回転機械のように変化がプラント異常に直結するような機器には、このオンライン監視が必須である。(中略)この方式はコストがかかるので、監視すべきセンサ信号は厳選されねばならない。
引用元:『機械設備の状態監視と診断【第3版】』 振動技術研究会

オンラインでの常時監視は、特に非常に重要な設備や、劣化速度の速い設備で用いられることが多い監視方式です。振動計で診断する場合は、x-y-z軸の3点計測(速度・変位対応)を実施するため、計測箇所1点につき、3つのセンサを設置する必要があります。取得された信号は、接続されたケーブルとジャンクションボックス(端子BOX)を介し、最終的にコンピュータで解析されます。

屋外での常時設置の場合は、防滴・防水といった対候型センサを選択することが重要です。
 

オフライン状態監視

オフライン状態監視とは、間欠監視方式と呼ばれます。

間欠監視方式
(前略)手持ち簡易診断器などを機械現場に持ち込み、振動などを測定し、規定の書式に測定値を記入していく方法である。人によるオフラインの作業であるので、設備コストは不要だが、人手と時間がかかる。(中略)高温や有毒ガスなど人が近づけない危険な機器では、近くの安全な場所に併設した端子ボックスから情報を記録する。(中略)定期的に同じ部位を測定し、過去のデータと比較することが肝要である。
引用元:『機械設備の状態監視と診断【第3版】』 振動技術研究会

オフラインは大きく二つの方式に分けられます。
①ポータブル型の診断器でヒトが都度、計測・結果の記入を行う
②センサとケーブルを恒久設置し、計測の際、安全域にある端子ボックスに診断器を接続することで診断する

ポータブルタイプの診断器はその手軽さがメリットですが、診断結果をメモしExcelなどのCSVファイルに記入しなければトレンド管理がしづらいといったデメリットが存在します。そのため、生産には影響を及ぼさない重要ではない機器で用いられることが多いやり方です。

②は、セミオンラインと表現されることがある方法で、人が近づけない機器だけでなく、高所や狭所で人が計測するのが難しい個所にも向いています。
semi-online
AEによる軸受診断の場合は、軸受1点につき1つのセンサを設置します。ジャンクションボックスには、複数のセンサを接続できるので、計測対象の切り替えが手元で簡単に行えます。
 

さいごに

オンラインとオフライン、いずれも軸受診断には有効な手法です。予算の都合だけで決定するのではなく、その機器の重要性や故障の発生頻度も考慮に入れた上で、その時々にあった方法を選択することができるとよいと思います。

「こういう機器なのだけど、オンライン監視したい場合はどうすればよい?」というご質問をお持ちの方や「そもそもオンラインとオフラインのどちらがいいのか判断できない」という方は、オプションをご提案いたしますので、お気軽にお問い合わせください。

文/石田有紀


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