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低速回転機械の軸受傷起因のピークを捕捉しながらデータ容量を圧縮!Adash社振動計「ACMT」機能

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低速回転でFFT解析を行うには高解像度のデータが不可欠ですが、高解像度であればあるほどデータ容量が大きくなってしまいがちで、困ったことはないでしょうか。

例えば、下図はAdash社の『VA5 Pro』で取得したFFTデータですが、解像度が高いゆえに、このデータは非常に大きな容量を使います。

Adash社の振動計の場合、傷などに起因するピーク波形はそのままに、データ容量を圧縮することができます。

『VA3 Pro』、『VA5 Pro』に搭載されている「ACMT」機能を使用して取得したデータをご紹介します。

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「ACMT」データ圧縮機能

 
低速回転軸の軸受の傷を検知するためには、次の点をおさえることが必要です。

・軸受の転動体がレースに接触する周期に合わせて10~60秒の一定時間データを取る
・軸受傷箇所通過時の振動は一瞬しか発生しないので、高周波数帯域でデータ捕捉が必要

しかし、高周波数帯域のデータを一定時間取得しようとすると、多くの場合、数MB~数GBとデータ量が多くなってしまいます。

そこで、Adash社は高周波数帯域のデータのうち、特徴的なピークは残しつつ、データ圧縮する技術「ACMT」を『VA3 Pro』、『VA5 Pro』に実装しました。

左が圧縮する前のデータです。軸受傷箇所通過時のピーク振動を捕捉していますが、サンプリング数(NS)は52.4万とかなり多くなっています。

対して、右がACMT処理後のデータです。一見、同じ波形ですがNSは8200程度まで下がっていることが確認できます。

他の箇所を測った時の「ACMT」で処理した後の圧縮データも見てみましょう。データ圧縮をしても、特徴的なピークはしっかりと残っていることがわかります。


 

「ACMT」対応機種

 
Adash spol. s r.o.社は、1991年に創業したチェコの会社です。1995年からハンドヘルドタイプの振動計を開発、以来、お客様のご意見を取り入れながら、製品モデルを増やしています。

ACMTは、より詳細な振動解析を行いたいユーザー向けモデルの『VA3 Pro』、『VA5 Pro』でご使用可能です。

VA3 Pro(ブイエースリー プロ)

 
VA3 Proは、FFTの生波形記録、バランス検出、データ保存、ランアップ、超音波といったモジュールの中から必要な機能を選択して構成することができます。モジュールは計測器購入後でも、追加購入することが可能です。

製品ページ



VA5 Pro(ブイエーファイブ プロ)

 
ハイエンドモデルであるVA5 Proは、4つの振動信号チャネル、現場での解析がしやすい大画面タッチスクリーンを採用したマルチタスク型の解析装置です。オーバーオール値、FFT(最大ライン数3276800)、時間波形など、さまざまなタイプの振動計測に対応しています。

製品ページ



文/いしだ

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