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4.112025
Adash社 振動計の「FASIT(故障自動診断機能)」でわかる主な不良状態

弊社が取り扱っているAdash社のポータブル型振動計の特徴の一つが故障自動診断機能「FASIT」です。
本コラムでは、FASITで検知できる機械不良の種類と、実際の不良検知事例をご紹介します。
故障自動診断機能「FASIT」
FASIT表示イメージ
FASIT機能は、Adash社のポータブル型振動計の各モデル『Vibrio M(バイブロエム)』『VA3 Pro』『VA5 Pro』に標準で搭載されています。
この機能により、「アンバランス」「ミスアライメント」「緩み」「ベアリング損傷」「それ以外の故障」のいずれに該当しているかがわかります。
故障レベルは「正常(緑)」→「注意(黄)」→「警告(赤)」と、色別で表示します。
FASITでの軸受不良検知事例
下図は、当社で保有する研磨機の汎用モータ(1440rpm)の軸受交換前後に『VA5 Pro』にて、FASITの確認を行った結果を、PCソフトウェアに取り込んだ画面です。径方向での計測のほうが、軸受不良傾向を明瞭に確認することができました。
振動計の使用が初めての方向けのエントリーモデル『Vibrio M』
Vibrio Mは、ボタン数も少なく、シンプルな設計になっており、振動計測初心者向けの機種です。
変位・速度・加速度のオーバーオール値、FFT解析、時間波形、聴音といった、振動による機械の状態診断のために必要な機能が搭載されています。リチウムイオン電池で連続16時間使用が可能、センサ込みで580gと軽量なため、日常の点検に適しています。
振動診断初心者だけではなく、小型サイズの2台目、3台目の振動計を導入したい企業様にもおすすめです。
本体構成
ボタンは上下左右を選択用が2つ、確定ボタン1つの計3つです。確定ボタンを押すと電源オン、電源をオフするには確定ボタンを長押しします。
ICP® 加速度センサ1つとケーブルを接続して計測を行います。ヘッドフォンも付属していますので、聴音確認も可能です。
計測結果の表示
ルート計測機能
ルート計測は、自社が保有する設備にあわせて独自の道順(計測ポイント)を操作器本体に登録し、日々の点検を行いやすくするための機能です。
現場に行く前にPCにAdash社が開発したDDSソフトウェアをダウンロードし、計測を行うルート(道順)を登録し、データを操作器本体に転送する必要があります。
【PC用ソフトウェア】Vibrio M専用PCソフトウェア
ダウンロードURLはこちら
メーカー情報
Adash spol. s r.o.社は、1991年にRadomir Sglunda氏とAdam Bojko氏が創設したチェコにある振動計メーカーです。1995年からハンドヘルドタイプの振動計を開発、以来、お客様のご意見を取り入れながら、製品モデルを増やしていきました。
現在は、始めて振動解析を行うユーザー向けのVibrio M、より詳細な振動解析を行うユーザ向けモデルのVA3 Pro、VA5 Proを開発、オンライン型振動解析モジュールと解析ソフトウェアを供給しています。故障自動検出システム「FASIT」もDDSソフトウェア上で確認ができます。
文/いしだ