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ベアリング診断の必要性が加速している?食品業界での検討ケースを一挙ご紹介!

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先月、行われたメンテナンス・レジリエンス TOKYO 2017では、さまざまな業界の方にお立ち寄りいただいたのですが、その中でも「実機でのデモをお願いしたい」といった具体的な検討段階が多かったのが、食品・飲料メーカーでした。

食品業界の来場者数はなんと前年比4割増と、大幅にアップ。

今回は、食品業界の保全・オペレーター担当の方向けに、他企業の方がどのような設備のベアリング診断を検討されているのかをご紹介していこうと思います。自社ではどのように進めるかなど、ぜひ参考にしてみてくださいね。
 

BM(ブレイクダウン・メンテナンス:事後保全)からの脱却が求められる時代に

展示会などでお話を伺う中で多いのが、「今までは聴音や温度の変化をみる程度」「故障しても生産ロスに直結する機械ではない(or予備機がある)ので、基本はBM(故障してから部品交換)」というパターン。会話のきっかけ=現在の診断方法は同じでも、この後の会話のパターンに変化が出てきています。

<従来のパターン>
鉄原:「現在はベアリング診断をどのように実施されていますか?」
来場者:「ドライバをあてて、音は確認するようにはしているけど、事前に不良検知は難しい。だから基本は故障してから部品交換(BM)です。こういう計測器の類を使ったほうがいいんだろうけどねぇ」
(心の声)でも、今はそこまで困ってないしねぇ。計測器は値段もピンキリだし…。今はいいや。

<最近のパターン①>
鉄原:「現在はベアリング診断をどのように実施されていますか?」
来場者:「ドライバでの聴音を実施しているくらいで、今はBMでの交換対応がほとんどです。最近よく予知保全という言葉が出てくるじゃないですか。世の中の流れをみると、いずれ当社も同じような対応(計測器を使用して、部品の状態診断を行い、適切なタイミングで軸受交換)をしなければいけなくなるかもしれないですね…」
(心の声)これだけ多くの人が情報収集や検討をしているのかぁ。他のブースもまわって、とりあえずカタログを集めておこう。

<最近のパターン②>
鉄原:「現在はベアリング診断をどのように実施されていますか?」
来場者:「ドライバでの聴音を実施しているくらいで、今はBMでの交換対応がほとんどです。ただ、関連会社からベアリング診断は強化したほうが良いと助言をいただいたんです。初心者にはAE(アコースティック・エミッション)法を用いた診断器がおすすめといわれまして…」
(心の声)インターネットで探すのは手間だし、出展製品にあってラッキー。実機も見れたし、上司に報告して、次は実際の設備でデモンストレーションしてもらおう。

いずれも、今までは故障したら新品に交換という対応をされてきていました。それが、ここ数年の間に、設備保全に対する考え方に変化が訪れています。

CBM(状態監視保全)はもともと、石油精製・化学や製紙といった、1台が停止してしまった場合に数千万円から場合によっては億単位の生産ロスが発生する重工業の分野で根付いた考え方でした。

しかし、リーマンショックなど、景気が急速に悪化をすると避けられないのが、人員整理や余剰予算の削減です。人が少なくなる中、オペレーターが日々の業務内で異常がないか確認をする、適切なタイミングでメンテナンスをすることで長く使えるものは長く使用するよう、経営陣からおふれが出ることは今や重工業以外の分野でも珍しいことではありません。
 

各社の検討・導入事例

<食品メーカーに在籍するCさんのケース>

調味液や調味扮、アミノ酸、乳酸等を精製するプラントに勤務している製造部門のCさん。グループ会社に大手飲料メーカーがあり、そちらの保全担当者からベアリング診断は強化した方が良いとの助言があったため、展示会に来場されました。

製造部にて、毎日プラント全体の見回り(異音確認等)を実施するようにしているものの、できない日もあり、100%回り切れていなかったそうです。一年を通して稼働している設備が多い中、ベアリングは日常保全で対応しきれておらず、ブレイクダウン・メンテナンスがメインとのこと。後日、訪問し、実際の設備での計測を実施させていただきました。

今回、計測を実施したのは、精製粉末の送風ライン後半に設置されている粉末と風を分かつための排風ファン(回転数は1830rpm/軸径φ60)で、熱センサーでも感知する段階だったとのこと。メーカー推奨(半年に一回)のタイミングでグリスの補充を実施、プーリーのベルト交換程度で、過去十数年の間、それ以外のメンテナンスは一切行っていませんでした。出展製品のAEセンサ搭載ベアリング診断器MHCを使用し、軸受部の計測を行ったところ、計測結果でも温度と同様、末期傾向と診断するに至りました。

この企業様は訪問から3週間でMHCベアリングチェッカーを購入され、MHCでの軸受点検の実績作りからスタートされました。
 

<お菓子メーカーに在籍するKさんのケース>

大手お菓子メーカーにお勤めのKさんの会社では、展示会来場以前に、振動計の検討を進めていらっしゃったそうです。

計測の対象はコンベア用ローラーベアリングで、回転数は80rpm程度。一般的に低速回転領域と呼ばれる回転数で、振動加速度計での不良検知は難しいといわれています。また、今まで振動計を使用したこともないので、現場の作業者が使用できる物でないと購入しても使用しない可能性があることも懸念材料の一つとのことでした。

そんな折、展示会に来場した際、MHCを見て使い勝手がよさそうという印象をお持ちになり、お引き合いをいただきました。

弊社の担当がデモ計測に伺い、当該機のベアリングをMHCメモプロのスタンダードモードとスーパースローモードの両方で計測を実施。潤滑不良や初期傷発生の可能性があるとされる状態にありました(メーカー独自のパラメータ:ディストレスが10以上)。そこで、MHCに付属のヘッドフォンで聴音診断を行ったところ、傷の音が確認されました。

現在は予算取りに向けて、社内で検討を進めていらっしゃるようです。
 

<飲料メーカーに在籍するHさんのケース>

Hさんの会社では、全社的に軸受不良に起因する突発停止回避の対策案の検討をする必要が出てきたため、Web経由でお問い合わせをいただきました。2016年にMHCクラシックプラスを導入され、約1年弱使用されています。

検討・導入の背景や実際に使用した感想を製造技術データベースサイト『イプロスlink1(トップページ)』にて限定配信中です。
資料のダウンロードはこちらlink1(外部サイト:イプロス)。
 

<おまけ:海外の食品業界>

ご紹介しているAEセンサ搭載ベアリング診断器MHCは、イギリスのメーカーが20年近く前に販売を開始した製品なのですが、本国では食品業界を中心に販売され、そこから他の業界へも広がっていったという特徴があります。海外の食品業界では早くからこういった計測器でCBMへの対応が進み、その中で手軽に軸受診断ができるMHCは評価を得てきました。

ポテトチップスで有名なWalkers Snackの事例紹介
英語版Webページlink1(外部サイト:Parker Kittiwake)。
日本語版ダウンロードページlink1(外部サイト:イプロス)。
 

さいごに

今回ご紹介した企業以外でも、これまで聴診器で診断しており、診断に個人差が出てきてしまうことがネックだったという食品会社が、MHCベアリングチェッカーを3台同時に購入されたケースがありました。

BM(ブレイクダウン・メンテナンス:事後保全)からCBM(コンディションベース・メンテナンス:状態監視保全)へ--食品・飲料業界にとどまらず、他の業界でも変化が出てきそうですね。

文/いしだ



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